真の幸福な人生とは? コーチングを理解しよう STEP10


コーチングを理解しよう STEP10 真の幸福な人生とは?

コーチングを理解しよう、最後のSTEP10では、幸福な人生について考えてみたいと思います。


コーチングとは、「ゴールを設定し、それを達成するためのマインドの技術」で、ゴールとは、人生における目標のことでした。そして、その目標設定にはルールが存在し、それを満たしたものを「ゴール」と呼びました。


ゴール設定の3つのルール

1.ゴールは「現状の外側」に設定する
2.自分が心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
3.人生の各方面に、まんべんなくゴールを設定する



私たちにとって、幸福な人生とはどのようなものでしょうか。

幸福の中身や定義は、人によって異なります。皆が同じではありません。趣味に没頭できる人生が最高の幸福と考える方もいるでしょうし、仕事で大成功を収めることが至福という方もいるでしょう。家族と過ごす時間が最も幸せと感じる方ももちろんいます。

人それぞれ、違います。


自分にとっての幸福が、必ずしも、相手にとって同じように幸福であるとは限りません。ですから、自分にとっての幸福とは、自分で自分なりの幸福を突き詰め、自由に選択し、それを手にすることと言えます。

成功という類のものも同様です。成功の定義は人によって違い、自分で決めることができます。


さらに付け加えれば、正義や真実といったものも、人によって異なるのです。自分の主張が、どんなに正しく真実であると確信していたとしても、それは「自分にとっての真実」であるに過ぎず、他人にそれを押し付けることはできないのです。



私たちのマインドというのは、他人に与えられた、もしくは、他人に強要されたものでは、高いパフォーマンスを発揮できませんし、創造性も生まれません。

自分が心から望むこと、成し遂げたいと思えることでなければ、マインドはフルに働かないのです。


やりたいと思えないことを無理にやろうとすると、マインドは、それを避ける方向に創造力を働かせます。これを「創造的逃避(Creative Avoidance:クリエイティブ・アボイダンス)」といいます。

言い訳ばかりが脳裏に浮かんだり、無意識に関係のない行動を取ったりします。気が進まないのに掃除をしなくてはいけないと思うと、掃除以外のことを急に思いついたり、なぜか他のことをやりたくなってしまったりという具合です。嫌いな仕事を選び、「働かなければ」というスタンスでいると、極端に能率が悪くなったり、体調を崩すのも創造的逃避です。

ですから、やらなければいけないことをやるというのでは、人間の無意識の奥底に隠された潜在エネルギーを解き放つことはできません。



幸福で満たされた人生を考えるうえで、モチベーションについて知ることは重要です。

モチベーションとは、「動機づけ」といった意味ですが、これは大きく分けて2種類あります。それは、「内面」から自発的に生じるものと、「外部」からの圧力を受けて生じるものがあります。

内面から生じるものを「建設的動機づけ」、外部からの圧力によるものを「強制的動機づけ」といいます。


・ 「建設的動機づけ」、内面から自発的に生じるモチベーションについて

これは、高い生産性やパフォーマンスを期待できる理想的な動機づけです。ゴールや目標が、心から達成したいと望んでいることだからこそ、湧き上がるものです。コーチングでは、この動機のもとで「しか」行動を起こす必要がないと考えます。それが圧倒的な成果を生み出し、私たちを幸福な人生へと導くのです。


・ 「強制的動機づけ」、外部からの圧力によって生じるモチベーションについて

これは、「~しなければならない」という「Have-toの感情」によるものです。上司の命令でやらないといけないとか、親に説教されて仕方なくやっているというような、強制感を感じています。

このような感情のもとに動機づけがなされる背景には、「やらなければならない、さもないと~」という恐怖が根底にあるからです。「さもないと、こうなってしまう」という脅迫観念があり、さもないと行動を制限されてしまう、禁止されてしまうといった、自分にとっての不利益な事態を避けるために起こるモチベーションです。

人間は、この「Have-to」感情のもとでは、決して高いパフォーマンスを発揮し続けることはありません。例え、強烈な指導や脅しなどでパフォーマンスが上がったとしても、それは一時的なものに過ぎないのです。必ず、逃避行動(創造的逃避:クリエイティブ・アボイダンス)が現れます。

継続的に高い生産性やハイパフォーマンスを発揮するためには、モチベーションは内面から自発的に湧き上がるもの、すなわち「建設的動機づけ」でなくてはなりません。


関連ブログ:「創造的逃避(クリエイティブ・アボイダンス)からのメッセージ」



私たちにとっての真の幸福とは、まず、「自分が本当に望んでいることをやる」ということが大前提なのです。そして、そういった人生を過ごすことで、感動が生まれ、真の幸福感や満足感、充実感を味わうことができます。


当たり前のことのようですが、実生活で実際にそれを実践している人が、世の中にどれくらいいるでしょうか。

自分のやっていることがすべて、やりたいことだけで満たされているという人は、コーチング実践者でもなければ、そう多くはないでしょう。

ですから、コーチングの知識や技術は価値あるものとなるのです。心からやりたいと思えることをゴールとして設定し、それを達成していく中で、深い感動が湧き起こり、人生が存分に満たされるのです。



こうした人生を満喫していく中で、私たちに当たり前のように刷り込まれている余計な概念が、コーチングを実践していく中で、度々問題になります。

それは、「比較」の概念です。

アファメーションのルールの中に、「他人との比較をしない」というのがありました。


私たちは幼いころから、比較をされて育ってきました。成績や順位、学校でも企業や社会生活の中でも、場合によっては、家族間や兄弟同士でも、当たり前のように比較がなされています。

あまりにも当たり前のようになされているため、比較されるということ自体に疑問を抱く人は少ないものです。しかし、よくよく考えてみると、比較をすることで、それがどうだというのでしょうか。

よい成績や一位をとれば、一時は大きな満足感を味わうこともできるかもしれませんが、それが永遠に続くことはありません。すべての分野において一位をとることなど不可能です。

比較や順位にこだわれば、必ずいつかは、負けというネガティブな感情や、良くあらねばというプレッシャーに晒されることになります。

比較は、多くの人にネガティブな感情を与えます。そして、エフィカシーを下げてしまいます。ですから、コーチングでは他人との比較は一切しないのです。



意識のあるべき方向性について、考えてみます。

私たちの無意識というのは、意識を向けている方向へと進む性質があります。ですから、ゴールにロックオンをすると、無意識は自動的に、ゴールの世界へ向かおうとします。こうしたマインドの働きを「目的的志向(Teleological:テレオロジカル)」といいます。

人間は意識を向けている方向に進んでしまうのですから、普段から何に意識を向けているのかに注力することは、今後の人生を左右する極めて重要な要素となります。

「STEP6のセルフ・トーク」の最後でもご紹介しましたが、ルー・タイスの言葉に、「私たちは、自分が考えるものに向かい、自分が考える人物になる。現在の思考が、未来を決定する」というものがありました。


私たちは進化の過程で、失敗の記憶を強く残すようになりました。それが古代より長い年月をかけて発達してきた、生き残るための手段というか知恵なのでしょう。ふと過去を思い起こすと、成功体験より、失敗体験の方が記憶に強く残っているのはそのためです。こういった性質があるせいか、人は過去に意識を向けやすいものです。過去の嫌な出来事ばかりにとらわれたり、ネガティブな感情に支配されてしまったりします。

しかし、先ほどご紹介した通り、人は意識を向けている方向に進んでしまうのですから、過去の嫌な出来事やネガティブな感情ばかりにロックオンしてしまうと、未来に対しても、ネガティブな出来事をさらに引き寄せてしまいます。過去に意識を向けてばかりいる行為が、未来を過去の延長にしてしまうのです。

これでは大きな成長や変化を促すことなど、できるはずがありません。


視点を過去から、輝く未来へと移さなくてはなりません。

「過去思考」から「未来思考」へと意識転換を図るのです。

これには訓練が必要です。「コーチングをしっかり学び、実践する」ということです。



最後になりましたが、より幸福で、より感動に満ち溢れた人生を過ごす、そのためには、心から望むゴールを設定し、それを達成していく人生を送ることです。コーチングはそのための技術です。

コーチングは、巨大な知の体系といわれることがあります。これまで読んで頂いた10のSTEPの中で、そのすべてを網羅することはできませんが、その基本となる部分は、ある程度示せたのではないかと思います。


皆さんの人生がより幸福で、より感動に満ち溢れたものになっていきますよう、心から願っています。


苫米地式コーチング認定コーチ 杉本浩章



推薦図書: 成功の暗号
村上和雄、ルー・タイス 共著

成功の暗号


コーチングを理解しよう BONUS STEP コーチング用語集



コーチングを理解する10のステップ