ゴール達成と真の幸福な人生とは? 誰でもできる「コーチング」のはじめ方 STEP10


ゴール達成と真の幸福な人生とは? 誰でもできる「コーチング」のはじめ方 STEP10

『誰でもできる「コーチング」のはじめ方、最後のSTEP10』では、「ゴール達成」と「真の幸福な人生」について、考えてみたいと思います。



コーチングとは、「ゴールを設定し、ゴール達成をするためのマインドの技術」のことです。

ゴールとは、「人生や組織における目標、目的地」のことです。そして、そのゴール設定やサブゴール設定にはルールが存在します。



【ゴール設定の3つのルール】

1.ゴールは「現状の外側」に設定する
2.心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
3.ゴールは人生(や組織)の各方面にまんべんなく設定する


※ 現状の外側とは、現在の延長線上の未来には到底起こり得ない、自分が大きく変わらない限り、絶対に達成できないような遠く高いゴールのことです。達成方法が現時点ではまるで見えないゴールです。



【サブゴール設定のルール】

1.サブゴールは具体的かつ詳細に設定する


※ サブゴールとは、「ゴールの世界のコンフォートゾーンの一部」、または、「ゴール達成をしていく過程での中間点」のことです。「現状の外側のゴールに必要な要素」です。



ルータイスは「映像・言葉・感情」の3つを重要視していました。ゴール達成に必要な3要素として、「ワーズ・ピクチャ・エモーション」を使い、この3つの相互作用によってゴールの世界の臨場感を高め、ゴール達成を促すのです。

「映像・言葉・感情」こそが人生を決定していると言えます。コーチングのゴール達成においても、どれひとつとっても欠かすことのできない非常に重要なものです。

その表れとして、ルールに基づいてゴールを設定したら、「サブゴールの設定」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロール」「セルフエスティームやエフィカシーを高める」といった技術につながっていきます。


ルータイスは言います。

「何を達成するかは、ほとんどの場合、何を信じるかによって決まる」

「頭の中のビジョンや理想、目標、あるいは将来を今の現実より強力でリアルにしたいと思うのなら、感情の力を使うことが必要です」

「明確さと強い思いと繰り返しによって、頭の中のイメージが変わり、物事がそうあるべき新しい感覚が生まれます」



ビジュアライゼーションとは、心の中に鮮明な映像を描いて、ゴールに必要な世界をリアルにイメージし、強い情動を伴って、臨場感を高める方法のことです。

ビジュアライゼーションは、その人の心の中の映像を置き換えます。映像はその人の頭の中のリアリティやセルフイメージに最も強い影響を与えます。STEP1で紹介したように、マイケルフェルプス選手が行っていた自己変革法もまさに、このビジュアライゼーションです。

ビジュアライゼーションを行うことによって、ゴール側のリアリティを強化し、セルフイメージやコンフォートゾーンをゴールの世界にふさわしいレベルに押し上げる最も強力な手段となります。まさに、ルータイスの方程式 「I(Image)× V(Vividness)= R(Reality)」を反映した技術と言えます。


「サブ・ゴールとビジュアライゼーション」についてはこちら



セルフトークのコントロールも重要です。

セルフトークは「自分自身に語りかける言葉」のことですが、言葉は映像を想起させ、感情を結び付け、その人の頭の中にリアルな体験と記憶をつくり出します。一見、些細に見えるセルフトークも、実体験と同じような影響をマインドに及ぼしますから、セルフトークを過小評価し、安易に考えてはいけません。セルフトークはセルフイメージの形成に、特に強い影響を与えるのです。

セルフイメージをゴールの世界の自分にふさわしいものにしていくためには、セルフトークをコントロールし、セルフトークをすべてゴールに対して肯定的な表現や言葉に変えていくことが不可欠です。

そして、ゴールにふさわしいセルフトークや、高いセルフエスティームとエフィカシーを維持するためには、「ゴールは他人にむやみに話さない」という原則も忘れてはなりません。


「セルフ・トーク」についてはこちら



セルフエスティームやエフィカシーは、それぞれ、能力やポジションに対する自己評価のことですが、その人の潜在能力やパフォーマンスに直結する非常に重要な概念です。

これが理解されていないと、人はパフォーマンスが上がらないばかりか、成果を出すことが決してできませんし、セルフトークもゴールに対して肯定的なものになってはいきません。自己評価を高めることが、潜在能力を引き出す最も効果的な手段なのです。

自分が価値ある人間であることに、強い自信を持つのです。自分で自分に許可を与え、「自分はできる、自分は価値あるすごいやつなんだ」と自分を認めます。

自分に自信を持っていれば、周りの人は自ずと自分のところに集まり、ついてくるようになります。高いセルフエスティームとエフィカシーを持つことで、自分を取り巻く環境や能力、パフォーマンス、そして人生が素晴らしいものになります。


「セルフ・エスティームとエフィカシー」についてはこちら





私たちにとって、幸福な人生とはどのようなものでしょうか。

幸福の中身や定義は、人によって異なります。皆が同じではありません。趣味に没頭できる人生が最高の幸福と感じる方もいるでしょうし、ビジネスで成功を収めることが至福という方もいるでしょう。家族と過ごす時間が最も幸せと考える方も、もちろんいます。

人それぞれ、違います。


自分にとっての幸福が、必ずしも、相手にとって同じように幸福であるとは限りません。ですから、自分にとっての幸福とは、自分自身で自分なりの幸福を突き詰め、自由に選択し、それを手にすることと言えます。

成功という類のものも同様です。成功の定義は人によって違い、自分で決めることができます。


さらに付け加えれば、正義や真実といったものも、人によって異なるのです。自分の主義主張が、どんなに正しく真実であると確信していたとしても、それは「自分にとっての真実」に過ぎず、他人にそれを押し付けることはできません。

コーチングにおける自由意志とは、こういった「自分らしさ」を重視します。コーチングを実践することによって、「自分らしさ」という新しい標準をつくっていきます。


言い方を変えると、「他人のものさしを一切使わない、必要としない」ということでもあります。

「他人がこうしていたから、自分もこうしよう」とか、「この人に負けたくないし、この人の目標よりも上の目標を自分に課していこう」とか、他人が考えたり使っているものさしは、自分のゴールに対して一切関係ありません。

自分が人生の中で心から望んでいることにフォーカスします。





ここからはモチベーションと「創造的逃避」について学びます。


私たちのマインドというのは、他人に与えられた、もしくは、強要された目標やゴールでは、高い能力や創造性を発揮することはできません。

自分自身が心から望むこと、成し遂げたいと思えることでなければ、マインドはフルに働かないのです。


やりたいと思えないことを無理にやろうとすると、マインドは、それを避ける方向に創造力を働かせます。これを「創造的逃避(Creative Avoidance:クリエイティブ・アボイダンス)」といいます。

自らが自発的に行動しようと思えないことに対して、無理に取り組もうとすると、言い訳ばかりが脳裏に浮かんだり、無意識に関係のない行動を取ったりします。


気が進まないのに掃除をしなくてはいけないと思うと、掃除以外のことを急に思いついたり、他のことをやりたくなったり、集中できないという状態になります。

嫌いな仕事を仕方なく選び、「働かなければ」というスタンスで臨んでいると、極端に能率が落ちたり、生産性が低下したり、体調を崩したりする、仕事を休みたくなるのも創造的逃避です。

ですから、「しなければならない」という強制感を感じている状態では、人間は無意識の奥底に秘められた潜在能力やエネルギーを発揮し、創造性を解き放つことはできません。



このマインドの働きを理解するうえで、「モチベーション」について知ることはとても重要です。


モチベーションとは、「動機づけ」といった意味ですが、これには大きく分けて2種類あります。それは「内面」から自発的に生じるものと、「外部」からの圧力を受けて生じるものです。

内面から生じるものを「建設的動機づけ」、外部からの圧力によるものを「強制的動機づけ」といいます。



・ 「建設的動機づけ」、内面から自発的に生じるモチベーションについて

これは、「~したい」という「Want-to感情」による理想的な動機づけです。高い生産性やパフォーマンスを期待できます。ゴールや目標が心から達成したいと望んでいることだからこそ、内面から湧き上がるものです。

コーチングでは、この建設的な動機づけのもとで、ゴール達成を促すというスタンスを取ります。自発的なモチベーションは非常に高いパフォーマンスを発揮し、圧倒的な成果を生み出し、私たちを真に豊かで幸福な人生へと導いてくれる原動力となるのです。



・ 「強制的動機づけ」、外部からの圧力によって生じるモチベーションについて

これは、「~しなければならない」という「Have-to感情」によるものです。上司の命令で仕方なくやらないといけないとか、親に説教されて嫌々やっているというような「強制感」を感じています。

このような感情のもとに動機づけがなされる背景には、「やらなければならない、さもないと~」という恐怖や強迫観念が根底にあるからです。「さもないと、こうなってしまう」というその先の結果に対する恐れの心理があり、さもないと自分の自由や行動を「制限されてしまう」「禁止されてしまう」といった、自分にとっての予想され得る不都合・不利益な事態を避けるために起こるモチベーションです。

人間は、この「Have-to」感情や動機づけのもとでは、決して高い能力や創造性を発揮し続けることはありません。たとえ、強烈な指導や脅しなどがあって、パフォーマンスが上がったとしても、それは一時的なものに過ぎません。必ず逃避行動が現れます。



私たちが継続的に高い生産性やハイパフォーマンスを発揮するためには、モチベーションは外部からの圧力によるものではなく、内面から自発的に生じるもの、心の底から湧き上がるもの、「建設的な動機づけ」でなくてはなりません。

創造的逃避が起きたり、モチベーションが強制的動機づけ、つまり「しなければならない」という心理状態に陥ってしまうのは、その人の判断や行動が、セルフイメージやコンフォートゾーンに合致したものになっていないからです。

セルフイメージに合致したことであれば、自然にやる気とモチベーションは生じるので、私たちは「やりたい」と感じますが、セルフイメージに合致しないことは、無意識はそれを避けようとします。それが創造的逃避です。



「しなければならない」と思うことは、理性や常識、他人からの命令や強制、恐怖、強迫観念などによって、表層意識(顕在意識)がそう考えているだけで、潜在意識はその判断や行動を本音で望んではいません。それが、「しなければ」という感情の裏に隠されたマインドの働きです。

無意識や潜在意識が、しなければならないことをやることを望んではいない、もしくは、しなければならないことをやることによって生じる結果を無意識は望んでいないのです。

人は、「しなければならない」と思うことは、自ら進んで行動を起こしたりはしないし、やりたくないのです。


この場合、ゴールの世界の臨場感が足りないか、もしくは、そもそもゴール設定が間違っていて、その人にとっての本当にやりたいゴールではない可能性があります。

心から望む、達成したいと思えるゴールでなければ、ゴールに対して強い情動は生まれてきませんし、そのゴール達成に必要な判断や行動も、「~したい」「Want-to感情」に変わってはいきません。

自分にとって本当に必要なことや、やりたいことは、「しなければ」とは一切考えませんし、心から本当にやりたいことであれば、人は自ら進んでどんどん行動を起こしていってしまうものです。 やりたいと思えることに、「モチベーションが~」などと考える必要さえありません。

ゴール達成をした将来の自分の姿に、強い情動を感じなければ、臨場感は高まりようがないのです。



私たちが人生をよくしたいとか、変えたいといったときに、行動を無理に起こそうとする人たちがいますが、それでは創造的逃避が必ず起こります。やる気が出ない、能率や生産性が極端に落ちる、集中力が散漫になる、つい無駄なことをしてしまう、空回りするなどということになるのです。

どうしても達成したいと思えるゴール、そしてそのゴールの世界の自分のセルフイメージやコンフォートゾーンに沿ったものであれば、私たちの行動は、その行動がゴール達成に必要な場合、自然と「~したい」に変わります。セルフトークも「したい」「選ぶ」「好きだ」という肯定的なものになります。

「~しなければならない」は、コンフォートゾーンから外れている証拠です。

積極性とは、ゴールに基づいたコンフォートゾーンの中に、自然に存在しているということです。


私たちのマインドは、セルフイメージに合致する、言い換えれば、コンフォートゾーンの内側に自分を収めるために必要なエネルギーのみを、自発的に生み出すようにできています。それがSTEP4で学んだ、コンフォートゾーンのカラクリです。

ですから、行動を無理に起こそうとするよりも、セルフイメージを変えることの方が先決です。



そして、ここからが創造的逃避が起きることによって生じる一番の問題点なのですが、やりたくないことを無理してやっていると、必ず、セルフエスティームやエフィカシーが下がります。

「自分はこれをしなくてはいけないんだ」「自分にはこの選択肢しかない」などと無意識に自分の脳に語りかけ、ネガティブな感情が湧き起こり、自分に対する自己評価を知らず知らずのうちに落としてしまっているからです。

ネガティブな感情とセルフトークが脳内に蔓延し、ゴール達成に必要なゴールの世界の臨場感は下がり、薄まってしまうのです。


結果として、しなければならないことをしていると、創造的逃避が起こり、ゴールに対して否定的なネガティブトークが蔓延し、ゴール達成が遠のくのです。

ですから、エフィカシーやゴールの世界の臨場感、セルフイメージを守り、高めていくためには、日常の行いをすべて、「やりたいこと、心から望むこと」に変えていくことが理想です。



上記の視点で組織や集団を見たときに、「エフィカシーの高い集団」と「コアーシブな集団」に分かれます。

「コアーシブ」とは、coercive、強制的な、威圧的な、高圧的なという意味になります。


コアーシブな組織や集団とは、リーダーが抑圧的に、あるいは恐怖や脅しを利用して人を動かす、権力を笠に着せたり報酬をちらつかせて、人を動かそうとする組織のことをいいます。

外部からの圧力によって生じる「Have-to感情」のモチベーション、強制的動機づけによって組織運営を行っています。リーダーが絶えず怒鳴っている、高圧的な命令ばかりをする、「失敗したらクビだ」と恐怖を植え付ける、成功したら報酬を与える、などといった組織運営です。


「内面から自発的に生じるモチベーション」と「外部からの圧力によって生じるモチベーション」、2つのうち、どちらの感情によって人が動くと、高い生産性やパフォーマンスが期待できるのかは明らかですが、組織運営においても同様です。

ですから、組織の運営における成果やパフォーマンス、営利企業であればイノベーション、生産性、売上や利益といったものを最大化していくためには、組織や構成員が本音(Want-to)で語る組織のゴール設定が必要不可欠になります。

そうした組織のゴールがきちんと設定されていないと、組織運営において必ず、「Have-to感情」やモチベーション、創造的逃避が蔓延してしまいます。



個人においても、組織においても、ゴール達成をしていくためには、ルールに沿った正しいゴール設定が必要です。

それが私たちが幸福感を心から感じ、人生や組織や未来をより明るく喜びに満ちた世界に導いていく原動力となるのです。


皆さんの人生がより幸福で、より感動に満ち溢れたものになっていきますよう、心から願っています。



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス 杉本 浩章




It`s OK to be rich.
Lou Tice

豊かになってもいいんです。
ルー・タイス



Our greatest natural resource is the minds of our children.
Walt Disney

我々に与えられた最も偉大なる資源とは、私たちの子供心である。
ウォルト・ディズニー(映画監督、実業家)



I never did a day’s work in my life. It was all fun.
Thomas Edison

私は今まで一日たりとも労働などしたことがない。
何をやっても楽しくて仕方がないからだ。
トーマス・エジソン(起業家・発明家)



What is the seal of liberation? Not to be ashamed in front of oneself.
Friedrich Nietzsche

自由のしるしとは何か? 自分自身に恥じないことだ。
フリードリヒ・ニーチェ(哲学者)




成功の暗号 村上和雄、ルー・タイス 共著  アファメーション ルー・タイス 著

推薦図書: 「成功の暗号」 村上和雄、ルー・タイス 共著
      「アファメーション」 ルー・タイス 著




誰でもできる!! 「コーチング」をはじめる10ステップ