ゴール設定 コーチングを理解しよう STEP2


コーチングを理解しよう STEP2 ゴール設定

【コーチングとヒーリングの融合】杉本ワークスの杉本浩章です。


コーチングが、「ゴールを設定し、それを達成していくためのマインド(脳と心)の技術」であることは、STEP1の「コーチングとは?」でご紹介しました。

このステップではさっそく、ゴールの設定方法について見ていきたいと思います。



ゴールの設定には、ルールが2つあります。(正確には3つあるのですが、それはSTEP8のバランス・ホイールにて)

1.ゴールは「現状の外側」に設定する

2.自分が心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する



1.の「ゴールは現状の外側に設定する」ですが、現状の外側とは、今のままの延長線上の未来では到底為し得ない、遠く高いゴールのことです。達成方法が今の時点で、まるで見えないゴールです。


このようなゴールを設定する理由の一つ目ですが、人間には「ホメオスタシス」という能力があるからです。

日本語で「恒常性維持機能」といいますが、自らの命を生き長らえさせ、遺伝子を後世に残していくための現状維持機能で、人にはこのような能力が生得的に備わっています。太古の昔、人は生き長らえることさえ、とても大変なことでした。そうした環境の中で、発達してきた能力と考えられています。

生命を守るという意味ではとても重要な機能ですが、これが現代社会のめまぐるしい変化や発展の中での成長という意味では、大きな障害となってしまいます。

ホメオスタシスの現状維持機能は非常に強力です。それを乗り越え、自分の人生に大きな変化を起こし、成長していくためには、「現状の外側」にゴールを設定する必要があります。


二つ目は、STEP4のコンフォートゾーンで詳しく説明しますが、マインドはゴールと現状とのギャップが大きければ大きいほど、エネルギーを生み出すからです。

それは輪ゴムに例えられます。輪ゴムは端と端を離せば離すほど、距離を縮めようと大きな力を発揮します。この端と端をゴールと現状に見立てると、生み出される力はマインドの放つエネルギーと見ることができます。ギャップを埋めようと、マインドはエネルギーを生み出そうとします。

現状を超える大きな成長と変化のためには、高いゴールが必要です。


三つ目ですが、現状とは今まで過去に蓄積してきた記憶の合成でできあがっています。

人の無意識には、自分が考えている通りの判断や行動を起こそうとする性質があります。「セルフイメージ」というのがあって、「自分とはこういう人間だ」という自身に対するイメージ、自分像のことですが、人はこのセルフイメージ通りの人間になります。

コーチングの創始者であるルー・タイスは言います。「人は、自分が考えた通りの人間になる」と。

ですから、今の現状というのは、人が過去に受け入れ蓄積してきた記憶をセルフイメージとし、それに見合った自身の存在によってつくられています。他人から言われたことや偶然の体験による記憶によって成り立っていますから、人生を自分が選択したつもりであっても、実際にはそうではない場合が多いのです。

他人から与えられたゴールではなく、自分自身の真のゴールとするためにも、周りの常識や呪縛からかけ離れた、高いゴールが必要なのです。



2.の「自分が心から望むこと、やりたいことをゴールとして設定する」についてですが、長年のコーチングの経験や歴史、認知科学の発展の中で明らかなのは、人は、自分が心から望むことでなければ、幸福にはなれないし、パフォーマンスも上がらないということです。


子供の頃、何かに夢中になっていたときのことを思い出してみて下さい。とても楽しかったと思いますし、自然に目が輝きに満ち、やる気が漲(みなぎ)り、モチベーションやパフォーマンスに悩んだことなどないはずです。

やりたいことをやるから自然に夢中になれるし、幸福なのです。他人から見たらとてつもない努力にも映るかもしれませんが、本人は努力しているつもりなどなく、単に熱中しているだけです。

モチベーションは上げるものではなく、やりたくて勝手に上がるものです。

多くの場面で、パフォーマンスやモチベーション、そして、創造力の発揮に悩むケースを見かけますが、それは、やりたくないことを無理してやっているからです。


心から望むことをきちんとゴールとして設定していれば、目の前の行為の目的も明らかになり、自然とパフォーマンスも上がります。そして、子供がのびのびと天才的な発想をするかのように、創造性も自然に発揮されます。



ゴールを設定したら、それはむやみに他人に話してはいけません。

先ほど出てきたホメオスタシスですが、この現状維持機能は、他人に対しても現状維持を要求します。つまり、無意識の中では、自分は変わりたくないし、他人にも変わってほしくない。周りの環境もそのまま維持したい。そういう心の働きが、私たちのマインドにはあるのです。

高いゴールを他人に話せば、聞いた人はそのゴールに対し、無意識に不快感を感じます。それがホメオスタシスです。夢を壊そうとする人、邪魔をする人のことを「ドリームキラー」といいますが、そういった人たちが現われる可能性が大いにあります。

コーチなどは、クライアントさんに対してそれが起こらないように、きちんと訓練をします。ゴールは、コーチやその役割をもつ者以外に話してはいけません。


また、ゴールを他人に話してしまうと、それが宣言となってしまい、ゴールを話してしまったのだから、必ず達成せねば、「しなければならない」という、「Have-to感情」が湧いてしまいます。

モチベーションやパフォーマンスは、心からやりたいこと、「Want-to感情」でなくては発揮されません。のびのびとしていなくては、だめなのです。Have-to感情は、著しく生産性を低下させてしまいます。人間のマインドの働きというのは、そういうものなのです。

最初はWant-toであったはずのゴールが、他人に宣言してしまったがために、いつしかHave-toになってしまった。そうならないためにも、ゴールは他人に話すべきではありません。



If you can imagine it, you can achieve it.
If you can dream it, you can become it.
Lou Tice

あなたが想像することは、現実世界で実現できる。
あなたが思い描くことができる夢は、叶えられる。
ルー・タイス



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