セルフ・トーク コーチングを理解しよう STEP6


コーチングを理解しよう STEP6 セルフ・トーク

苫米地式コーチング認定コーチの杉本浩章です。


これまでのステップで、ゴールを達成していくために、セルフイメージやコンフォート・ゾーンをゴールに合致したものに変えていくことがどれほど重要なことであるかを、強調してきました。

このSTEP6では、セルフイメージを変えるための非常に強力なツールとなる、「セルフ・トーク」について学びます。



セルフ・トークとは、「自分自身に語りかける言葉」のことです。

多くの場合、それは他人との会話というよりは、心の中で自分自身に語りかけている脳内会話や、独り言のことです。人は一日に数万回もの頻度でセルフ・トークを行っています。その数字は5万回とも言われるデータもあります。

実は、このセルフ・トークが、セルフイメージの形成に、特に強い影響を与えています。それが意識的であっても無意識的であっても関係ありません。脳や無意識は、その言葉を蓄積し、セルフイメージを構築していきます。


コーチングの創始者であるルー・タイスの言葉を引用します。

「言葉が人生を決定する」

「潜在意識は、超高性能テープレコーダーのようなものだ」

「自分と話すときには、つねに現状の世界がどうなっているかを自分自身に告げています。認識し経験したことを解釈し、思考を通して頭の中にイメージをつくり上げます。その中にはセルフイメージも含まれます。自分自身の思考と言葉で、自分のための環境と限界と基準をつくりだしています」


自分の口癖を観察してみると、よく分かると思います。普段から自分自身に語りかけている言葉通りの現実を、無意識のうちに、皆さんの周りに引き寄せてはいないでしょうか。



ここで、非常に重要なマインドの仕組みをご紹介します。

「言葉、映像、感情」 ⇒ 「セルフ・トーク」 ⇒ 「セルフイメージ」 ⇒
「コンフォート・ゾーン」 ⇒ 「現実(能力、パフォーマンスなど)」


「言葉、映像、感情」のことをコーチングでは、「思考の三つの軸」といいます。

言葉は必ず映像を想起させ、映像は必ず感情を結び付けます。そうしてそれぞれが相互に作用し、人間の脳に記憶として蓄積されていきます。

蓄積された情報をもとに、人は自分が受け入れたものを自分らしさとしてセルフ・トークを発し、セルフイメージを形成していく、これがマインドの中で起こっている仕組みです。


前のSTEP5のエフィカシーで、「セルフイメージを高める上で最も大切なことはエフィカシーを上げること」という説明をしましたが、このエフィカシーを分かっていないと、当然セルフ・トークもセルフイメージを高めるものになってはいきません。

逆にいうと、エフィカシーが分かっていれば、セルフ・トークも自然に、前向きで建設的なものとなります。「私は優秀だ」、「私ならできる」、「私は価値ある人間だ」などとポジティブな言葉がけを自分自身に対して行っていくことができます。

こういった自らを肯定するセルフ・トークをルー・タイスは、「スマート・トーク」と呼びました。スマート・トークはセルフイメージを上げ、無意識はその言葉に一致した行動を私たちにとらせます。

これが言葉の持つ力なのです。



セルフ・トークをコントロールすることがどれほど大切であるかを、お伝えさせて頂きましたが、では、どのようにコントロールをしていけばよいのでしょうか。

その判断基準は、「ゴールに合致しているかどうか」です。


コーチングは、まず、「目的地」があることが大前提です。

その目的地、すなわちゴールをきちんと設定し、その世界をコンフォート・ゾーンとする。するとマインドはゴールを達成するためのエネルギーを生み出し、方法を探し出し、ゴールに向かいます。

ゴールの世界をコンフォート・ゾーンとするようなセルフイメージの構築、それを形成するためのスマート・トークを意識する。これがセルフ・トークのコントロールです。



スマート・トークがきちんとできていれば、コンフォート・ゾーンは確実にゴール側へと移行していきます。

それがマインドの仕組みだからです。そして、ルー・タイスや苫米地英人博士が、長年の研究と実践の中で、実証してきたことでもあります。


今まで様々な自己啓発や自己変革プログラムを実践してきたが、変化がなかった。そういう言葉もよく聞かれます。コーチングの視点で突き詰めると、それは「ゴール設定がルールに沿ってしっかりとできていない」、「エフィカシーが低い」、「セルフ・トークのコントロールが不十分」などというところに行き着きます。

セルフ・トークを聞けば、その人の未来がどのようになっていくのかを、明確に判断することができるのです。



STEP4のコンフォート・ゾーンのところでご紹介しましたが、「人間は、コンフォート・ゾーンの外側のことはスコトーマとなって見えない」という部分を思い出して下さい。

スコトーマとなってゴールやその達成方法が見えないか、それとも見えるか、その差はコンフォート・ゾーンの外側であるか、内側であるかの差だということをお話しました。

そして、セルフ・トークのコントロールは、コンフォート・ゾーンそのものを変える技術です。ゴール側へとずらす技術といった方が正確かもしれません。

ですから、「セルフ・トークのコントロールは、使い方次第で、見えなかったものを見えるようにする技術」と表現することができます。



最後に、セルフ・トークに関するよくある大きな疑問にお答えして、このステップを締めくくりたいと思います。

「コーチングを学びました。ゴールも無事に設定し、セルフ・トークのコントロールもきちんと行っています。しかし、今までの長い人生の中で、ずっとネガティブなセルフ・トークばかりを行ってきた自分。たっぷりとネガティブ・トークを蓄積してきた私の脳。今更それを乗り越えて、本当に自分を変えることなどできるのだろうか」という疑問です。

もちろんできます。コーチングの体系は、そういった問題をきちんと乗り越えられるようにできあがっています。


その秘密は、「ゴールは現状の外側に設定する」という部分と、「スコトーマの原理」にあります。

現状の外側にゴールを設定することで、マインドは大きなエネルギーを生み出します。まずはこれが圧倒的な変化を促す原動力になります。無意識は眠っていた力を解放することで、それまで強固に維持されてきたセルフイメージ、そしてホメオスタシスを乗り越えるのです。

そうしてコンフォート・ゾーンを大きく変えると、先ほどご説明したように、スコトーマも大きく変化します。これによって、今まで蓄積してきたネガティブなセルフ・トークによる以前のセルフイメージをスコトーマに隠してしまう。言い換えると、RAS(ラス)というフィルターによって、昔の自分を遮断してしまうのです。過去の自分を、記憶の外側に追いやるのです。

脳内における記憶のメカニズムというのは、現代の科学でも完全に解明されてはいませんが、一度記憶されたものはなくならないようです。しかし、思い出せなくすることは可能です。現状の外側にゴールを設定し、それに見合ったセルフ・トークをコントロールすることによって、できるのです。


コーチングの体系は本当に精緻で、そして巧みに構成されています。安心して皆さんに、実践して頂きたいと思います。



We move toward, and become like, that which we think about.
Our present thoughts determine our future.
Lou Tice

私たちは、自分が考えるものに向かい、自分が考える人物になる。
現在の思考が、未来を決定する。
ルー・タイス



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