バランス・ホイール コーチングを理解しよう STEP8


コーチングを理解しよう STEP8 バランス・ホイール

苫米地式コーチング認定コーチの杉本浩章です。


STEP2のゴール設定では、ゴール設定のルールが2つありました。

1.ゴールは「現状の外側」に設定する
2.自分が心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する


このSTEP8では、3つ目のルールについて、ご紹介します。

3.人生の各方面に、まんべんなくゴールを設定する



ゴール設定は、少ない方が集中できていいのではないか。そう考えてしまう方がいるかもしれません。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」、こんなことわざが聞こえて来そうです。

「一つの物事に集中せず、欲張っては、結局は一つも成し遂げることはできない」などという意味ですが、一見これは正しいように思えます。ただでさえ、現状の外側にゴールを設定するわけですから、そんなゴールが複数あっては、到底ゴール達成などできそうもない、そう私たちは考えてしまいがちです。


しかし、実際のマインドの働きを見ると、ゴールはバランスの取れた各方面に設定する方が、脳や無意識は活性化します。

私たちが心から望む幸福な人生を思い描くとき、それは仕事やキャリアだけではないはずです。もちろん、お金だけでも、趣味だけでもないでしょう。

職業があって、収入があって、家庭や家族をもち、趣味に没頭したり、精神性や生きがいのあるものを見出したり、地域や社会に対して貢献していき、それがまた、仕事や他の方面によい影響を与える。このようにして人生全体でバランスを取ることで、より幸福で豊かな人生を送ることができるのではないでしょうか。


ゴールを人生の各方面にまんべんなく設定し、自分が理想とする人生を突き詰めていく。これがコーチングにおける正しいゴール設定のやり方です。



複数のゴールを設定し、人生を全体性をもったまとまりのある理想的なものに組み上げていく。これに基づいて複数のアファメーションを書き出していく。ビジュアライゼーションをする。この作業はゴールを達成した未来の自分を臨場感豊かに思い描くのに、非常に効果的です。

STEP7の「アファメーション」の目的を思い出してみて下さい。それはゴールの世界の臨場感を高めることです。こうすることで、脳や無意識にゴールの世界をコンフォート・ゾーンとして認識させ、ゴール達成を促すのがコーチングの仕組みです。

ゴールは複数設定した方が、ゴールを達成した未来の自分やその世界をリアルに描けるということに注目して下さい。

ゴールが多いと集中できない、力が分散されてしまうのではないかという心配は、単なる思い込みで、無意識は並列思考がお得意なのです。



人生の各方面にゴールを設定することを「バランス・ホイール(もともとはタイヤの内側にある複数の棒状の金属のこと)」といいます。

以下を参考に、複数のゴールを設定し、アファメーションを書き出していって下さい。そうして、自分にとって真の幸福な人生とは何かを、突き詰めていって下さい。


職業
ファイナンス
趣味
健康・美容
生涯学習
生活・住環境
家族・家庭
人間関係
地域活動
社会貢献
今までやりたくてあきらめてしまったこと


これらは他人のものさしで考えてはいけません。他人との比較も、コーチングにおける自由で幸福な人生を考えるうえで、不要な概念です。自身の心の声に素直に、ゴール設定を考えていけばよいのです。



バランス・ホイールを、他の視点から見ていきましょう。

例えば、ゴールを達成していく過程において、予想もしていなかったような事態に遭遇したり、うまく事が運ばなかったりして、ゴール達成への道が停滞気味になってしまったとします。

そんなとき、一つのゴールしか持っていないと、その中々進まない状況に苛立ったり、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。思考やセルフ・トークがネガティブなものに傾いていくと、本人はそのような自覚はなくても、無意識はしっかりとセルフ・トークを聞いていますから、人生もネガティブな方面へと自然に引き寄せられていってしまいます。

ゴールが多方面にわたってきちんと複数設定してあると、一つのゴールに関しては停滞気味であったとしても、その他のゴールのおかげで、マインドは成長をし続けることができます。無意識は活性化し、セルフ・トークがポジティブなものになり、自らのマインドを健全に保つことができます。

その過程で、停滞気味であったゴールの達成に関するスコトーマが外れたり、思わぬ良き展開に導かれたりするものです。そうして再び、停滞気味であったゴールは芽吹いていきます。複数のゴール設定による相互作用が働くのです。

これもバランス・ホイールの威力です。


多くの分野で心から望むゴールを設定し、自分にとっての幸福な人生の在り方を多方面にわたって突き詰めていく。そうすることで、ポジティブな感情や前向きで建設的なセルフ・トークが人生を満たしていきます。無意識はますます活性化していくのです。



もう一つ、バランス・ホイールのメリットをご紹介しましょう。

「地域活動・社会貢献」のゴール設定です。

収入を求めず、地域や社会、人々に貢献するゴールを設定します。そうすると、それは利他的な非常に視点の高いものになりますから、当然大きな成長や変化、エネルギーが必要になります

ゴールと現状とのギャップは大きければ大きいほど、マインドはエネルギーを生み出しますから、無意識はさらに活性化し、抽象度の高い思考をすることができるようになります。


抽象度について詳しくはこちら:「抽象度と抽象度の高い思考」


そうした抽象度の高い思考を身につけることで、人はより高みへと上がっていくことができます。

そこは、平和で、豊かで、幸福な世界のはずです。本人の利己的な考えだけではなく、自分を大切にしながら、他人をも思いやり、大事にしていく。自己犠牲でも他己犠牲でもありません。

多くの人々の幸福と豊かな人生、複数のゴールを両立した世界の実現。抽象度の非常に高い思考が求められます。


コーチングの体系というのは、このように精緻で広大なものです。バランス・ホイールは、コーチングを実践するうえで欠かせないものとなります。

皆さんにおかれましても、人生の各方面にまんべんなく、ゴールを設定して頂きたいと思います。




人間というものは、自分に本当にやりたいことがあると、たとえそれがどんなに途方もないことであっても、また客観的に見てできない理由が山のようにあることであっても、やり遂げてしまうものです。

あなたが本当に達成したいと望むことは、誰が何と言おうと、どのような障害があろうと、いつの間にかごく自然に達成してしまうものなのです。

認知科学者 苫米地英人 博士



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