コーポレート・ゴール 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP2

コーポレート・ゴール 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP2



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス MIND Over The NEXT!!


『誰でもできるコーポレート・コーチングのはじめ方 STEP2 コーポレート・ゴール』では、「組織におけるゴール設定」について解説します。



コーチングは、「ゴールを設定し、それを達成するためのマインドの技術」です。コーチングにおいて、ゴールが最重要テーマであることは言うまでもありません。

コーポレート・コーチングにおいても、それは同様です。



個人に用いられるパーソナル・コーチングの場合、ゴール設定には3つのルールがありました。


1.ゴールは「現状の外側」に設定する

2.自分が心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する

3.人生の各方面に、まんべんなくゴールを設定する


この3つのルールに則って、ゴール設定をするのがパーソナルコーチングです。

「現状の外側」のゴールとは、今のままの延長線上の未来では到底為し得ない、遠く高いゴールのことです。達成方法が今の時点で、まるで見えないゴールです。



では、コーポレート・コーチングの場合のゴール設定はというと、組織の場合も本質的に同じです。

それは、コーポレート・コーチングとは、組織を全体として、組織に関わる複数の人達の脳をひとまとめにした「ひとつの大きな脳」をもつ存在、「組織はひとつの大きなマインドをもった情報的存在」ととらえるからです。

パーソナル・コーチングにおけるゴール設定の3つのルールを、組織版にして書き換えると、以下のようになります。


1.コーポレート・ゴールは「現状の外側」に設定する

2.組織全体が本音で望むこと、組織として成し遂げたいことをコーポレート・ゴールとして設定する

3.コーポレート・ゴールは組織運営における各方面に、まんべんなく設定する



このようなルールのゴール設定をする理由は、パーソナル・コーチングの場合と同じです。

詳しくは、『誰でもできる!! 「コーチング」をはじめる10ステップ』の「STEP2 ゴール設定」「STEP8 バランス・ホイール」をお読み頂きたいのですが、簡単に言ってしまえば、ゴールは「現状の外側」すなわち、今のままの延長線上の未来では到底為し得ない、遠く高いゴールでなければ、マインドは現状維持に徹してしまう点、本音で心から望むゴール設定でなければマインドは真のパフォーマンスを発揮しない点、ゴールは各方面にまんべんなく設定しなければ、社会性のある組織としてバランスを欠き、またゴールの世界の臨場感が上がりづらい点が挙げられます。


コーポレート・コーチングにおけるゴール設定の勘所は、パーソナル・コーチングの場合と同じと考えて差支えありません。

ただ、コーポレート・コーチングの場合、組織全体に限らず、組織の構成員もすべてコーチングの対象ですから、構成員はすべて、パーソナル・コーチングのゴール設定のルールに則ったゴールをもっていなくてはなりません。

そうでなければ、構成員は組織の言いなり、悪く言えば組織の奴隷になってしまいます。


コーチングは、真の幸福と豊かさを実現し、人生を実りあるものにすること、人生をマンネリや停滞とは無縁の変化と刺激に満ち溢れた世界に誘(いざな)うものです。

要するに、組織に関わる人間すべてがハッピーでなければなりません。

ですから、コーポレート・コーチングを導入する組織の構成員はすべて、きちんとゴールをもちます。



そうしたとき、組織のもつコーポレートゴールと、構成員がもつパーソナルなゴールは、関係性が全くないものでは成り立ちません。

組織がある方向性のゴールをもち、それとは正反対のゴールを構成員がもっている場合、それでは両者の活動や方向性に一貫性がないものになってしまい、動きがチグハグになり、組織に関わる人間すべてがハッピーで、高いパフォーマンスを発揮するということには決してなり得ません。

必然的に、両者のゴール達成を拒むという結果に陥ってしまうのです。


組織とその構成員達の両者が、きちんと何らかの形で「ゴールを共有」している必要があります。

では、その「ゴールの共有」とは、どういったものなのでしょうか。



それにはまず、「抽象度」という概念を理解しなくてはなりません。

詳しくは、「抽象度と抽象度の高い思考」をお読み頂ければと思いますが、ここでも簡単に触れておきます。


この宇宙に存在する概念には階層性があります。

例えば、「犬」と「猫」と「動物」という3つの概念を比べたとき、「動物」という概念は「犬」と「猫」を包んでいるように見えますよね。「犬」と「猫」の一つ上の次元に「動物」があるように映るわけです。

階層性とはそういうことです。


「抽象度」とは、概念に階層性がある中で、その概念を定義する(表現する又は説明する)際の情報量の大小の度合いのことを指します。

「抽象度が高い」ほど、概念を表す情報量は少なくなります。
「抽象度が低い」ほど、概念を表す情報量は多くなります。


「犬」と「動物」という概念を比べたとき、「動物」を定義する情報があって、そこに「動物という概念」を「犬という概念」にするための情報を「付加」することで、「犬」という概念が定義できます。

例えば、動物を表す情報に、胴体が横で脚が4本、尻尾があって、ワンと鳴き、毛が全身に生えていて、肉球があり、、と情報が加わっていくことで、「犬」を表す情報や概念ができあがります。

「動物」を定義する情報量より、「犬」を定義する情報量の方が多くなります。この状態を、「動物は犬より抽象度が高い」と表現します。


そして、「犬」と「猫」と「動物」という概念を並べてみると、階層性を考えたとき、「動物」は「犬」と「猫」を包含しているので、この状態を分析哲学で「動物は犬を包摂(ほうせつ)している」、「動物は犬と猫を包摂している」と表現します。


まとめると、抽象度が高くなるにつれて、概念自体を表す情報量は少なくなりますが、包摂する概念や潜在的な情報量は増えていきます。

ですから、抽象度とは「視点の高さ」とも表現できます。



さて、「抽象度」という概念を理解したところで、組織のコーポレート・ゴールと、構成員のパーソナルなゴールとの共有について考えていきます。

ゴールの共有方法には、以下の3通りがあります。


1.組織のゴールが構成員のゴールより抽象度が高い場合、組織のゴールが構成員のゴールを包摂している

2.構成員のゴールが組織のゴールより抽象度が高い場合、構成員のゴールが組織のゴールを包摂している

3.組織のゴールと構成員のゴールが共通点を持たない場合、抽象度を上げて、両者のゴールを包摂するような新たなゴールを見出し、設定する


※ 組織のゴールと共有する構成員のゴールは、必ずしもバランスホイールにおける職業のゴールにする必要はありません。趣味や生涯学習のゴールであっても、社会貢献に関するゴールであってもいいのです。


では、ひとつずつ具体例を出しながら順番に見ていきましょう。




【1.組織のゴールが構成員のゴールより抽象度が高い場合、組織のゴールが構成員のゴールを包摂している】



例その1

組織のゴール: 「人類が気軽に(太陽系全体を含む)宇宙旅行に行けるようにする」

構成員のゴール: 「誰も考えたことのないような宇宙船をつくる」



例その2

組織のゴール: 「全人類に対し、次世代高速通信の情報的インフラを整備する」

構成員のゴール: 「プログラミングを通じて社会の役に立ち、人々に大いなる感動を与える」




【2.構成員のゴールが組織のゴールより抽象度が高い場合、構成員のゴールが組織のゴールを包摂している】



例その3

構成員のゴール: 「人類に、空飛ぶクルマを提供する」

組織のゴール: 「先進の技術革新によって人々のクルマ生活に喜びと感動を届ける」



例その4

構成員のゴール:「すべての人達に日本の伝統工芸の美しさ・素晴らしさを伝える」

組織のゴール:「地域の美のリテラシー向上に貢献する」




【3.組織のゴールと構成員のゴールが共通点を持たない場合、抽象度を上げて、両者のゴールを包摂するような新たなゴールを見出し、設定する】



例その5

組織のゴール:「すべての日本人が世界に誇れる高い自尊心を持つ」

構成員のゴール:「貧乏をなくす」

包摂したゴール:「日本の人々にコーチングを普及させる」



例その6

組織のゴール: 「金属加工処理で世界を圧巻する」

構成員のゴール: 「世界の医療技術に革命を起こし、病の根絶に尽力する」

包摂したゴール: 「無痛・無感の点滴や注射針、胃カメラ等の開発、最先端の無痛電子メスの開発」




私達は目標設定やゴール設定をする際、コーチングの知識をもたないと、ついつい自分達の現状や能力、スキルといったものを鑑(かんが)みながら設定してしまいがちです。つまり、現状の内側にゴールを設定してしまうのです。

しかしそれは、私達がマインドの中に、「方法や手段があって、ゴールを決める」という無意識の判断や習慣が隠れているからです。ゴール達成のための方法やリソースを心配してしまうわけです。


しかし、コーチングはそのようなゴール設定の判断基準をもちません。

『誰でもできる!! 「コーチング」をはじめる10ステップ』の「STEP3 スコトーマとRAS」でご説明しましたが、コーチングでは「ゴールが先、方法は後から」なのです。

ゴール達成のための方法やリソースというのは、心配するものではなく、ゴールを設定することによって、後から勝手に見えてくるものです。それがコーチングであり、マインドの上手な使い方です。ゴールを決めれば、必要なもの、やり方は自然に見えてきます。

ルー・タイスの言葉をお借りすれば、「Invent on the way やり方は発明していく」です。


このプリンシプルは、コーポレート・コーチングにおいても変わりはありません。

「コーポレート・ゴールが先、経営戦略やコーポレート・ミッションは後から」となります。


ゴール設定は、遠慮せずに、どんどん「現状の外側」に設定していきましょう。




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