コレクティブ・エフィカシー 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP4

コレクティブ・エフィカシー 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP4



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス MIND Over The NEXT!!


『誰でもできるコーポレート・コーチングのはじめ方 STEP4 コレクティブ・エフィカシー』では、「組織における高いエフィカシー」について解説します。



「エフィカシー」について復習しましょう。

エフィカシーの定義は、「ゴールを達成する自己能力の自己評価」でした。


人は、エフィカシーが高いと成功します。ゴールを達成できる自分になる、なりたい自分になれるのです。人は成功したからこそ、成果を出したからこそ、自負心や自己評価が高くなると一般的には考えられていますが、コーチングの体系では、そのように考えません。

因果が逆で、自負心や自己効力感、自己評価が高いからこそ、人は成功するのです。


ですから、コーチングにおいて、ゴールを達成するために最も重要なことは、「エフィカシーを上げること」に尽きます。

セルフイメージを高め、コンフォート・ゾーンをゴールの世界とする。その最大のキーポイントとなるのが、「エフィカシー」なのです。

コーチングでよく言われることですが、「コーチの最大の仕事は相手(クライアント)のエフィカシーを高めること」、そのように表現されるくらい、エフィカシーは最重要項目です。


「エフィカシー」について詳しくはこちら: 「誰でもできる「コーチング」のはじめ方 STEP5 エフィカシー」



コーポレート・コーチングにおいても、この考え方に変わりはありません。

組織は全体として、組織に関わる複数の人達の脳をひとまとめにした「ひとつの大きな脳」をもつ存在、「組織はひとつの大きなマインドをもった情報的存在」ととらえることができるからです。


すなわち、個人(パーソナル・コーチング)において、エフィカシーが上がるとゴールを達成することができるということは、組織の場合に当てはめると、「組織全体としてのエフィカシー」を高めることができれば、組織のゴールであるコーポレート・ゴールも達成できると考えることができるのです。

この「組織全体としてのエフィカシー」のことを、『コレクティブ・エフィカシー』といいます。


コレクティブ・エフィカシーの定義は、「コーポレート・ゴールを達成する組織全体の能力の自己評価」となります。


組織のゴールであるコーポレート・ゴールを達成するために最も重要なことは、「コレクティブ・エフィカシーを高めること」に尽きます。



コレクティブ・エフィカシーについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

コレクティブ・エフィカシーは組織全体としてのエフィカシーですから、例えば組織の構成員が10人いて、10人各々の構成員が己自身のゴールを達成することができるという、パーソナルなゴールに対応した高いエフィカシーを表わしているのではありません。

コレクティブ・エフィカシーが高い状態というのは、10人全員が、「私達はコーポレート・ゴールを達成することができる」と強く確信していることを指します。


STEP2 で解説したように、組織のゴールと個人のゴールは、どこかの抽象度で共有している必要がありますから、個人のエフィカシーとコレクティブ・エフィカシーが全く関係がないわけではありませんが、「コレクティブ・エフィカシーが高いこと」と「個人のエフィカシーが高いこと」は、意味合いが異なるのです。

構成員全員が、コーポレート・ゴールを達成することができるという各々の強い確信と、それを互いに認め合う「コーポレート・カルチャー」、「コーポレート空間の醸成」が非常に重要になってきます。



モチベーションには、2種類あることをパーソナル・コーチングでは学びました。

モチベーションとは、「動機づけ」といった意味ですが、「内面」から自発的に生じるものと、「外部」からの圧力を受けて生じるものがあります。

内面から生じるものを「建設的動機づけ」、外部からの圧力によるものを「強制的動機づけ」と呼びました。


・ 「建設的動機づけ」、内面から自発的に生じるモチベーションについて

これは、「~したい」という「Want-to感情」による理想的な動機づけです。高い生産性やパフォーマンスを期待できます。ゴールや目標が心から達成したいと望んでいることだからこそ、湧き上がるものです。


・ 「強制的動機づけ」、外部からの圧力によって生じるモチベーションについて

これは、「~しなければならない」という「Have-to感情」によるものです。上司の命令でやらないといけないとか、親に説教されて仕方なくやっているというような、「強制」を感じています。

このような感情のもとに動機づけがなされる背景には、「やらなければならない、さもないと~」という恐怖が根底にあるからです。「さもないと、こうなってしまう」という脅迫観念があり、さもないと行動を制限されてしまう、禁止されてしまうといった、自分にとっての不利益な事態を避けるために起こるモチベーションです。

人間は、この「Have-to」感情のもとでは、決して高いパフォーマンスを発揮し続けることはありません。例え、強烈な指導や脅しなどでパフォーマンスが上がったとしても、それは一時的なものに過ぎず、必ず「逃避行動」が現れます。



私たちのマインドというのは、他人に与えられた、もしくは、他人に強要されたものでは、決して高いパフォーマンスを発揮できませんし、クリエイティビティも生まれません。

自分が心から望むこと、成し遂げたいと思えることでなければ、マインドはフルに働かないのです。


やりたいと思えないことを無理にやろうとすると、マインドは、それを避ける方向に創造力を働かせます。「創造的逃避(Creative Avoidance:クリエイティブ・アボイダンス)」です。

言い訳ばかりが脳裏に浮かんだり、無意識に関係のない行動を取ったりします。

気が進まないのに掃除をしなくてはいけないと思うと、掃除以外のことを急に思いついたり、なぜか他のことをやりたくなってしまったりという具合です。嫌いな仕事を選び、「働かなければ」というスタンスでいると、極端に能率が悪くなったり、体調を崩すのも創造的逃避です。


ですから、やらなければいけないことをやるというのでは、人間の無意識の奥底に隠された潜在エネルギーを解き放つことはできないのです。

必ず、内面から自発的に生じるモチベーション、「~したい」という「Want-to感情」による建設的な動機づけが必要になります。



組織におけるいかなる活動においても、この建設的な動機づけ、「Want-to感情」によるモチベーションはきわめて重要です。

それこそが、高いコレクティブ・エフィカシーを維持する決定的な要因となりますし、コーポレート・ゴールを達成することができるという各々の強い確信と、それを互いに認め合う「コーポレート・カルチャー」、「コーポレート空間の醸成」が可能となるのです。


「しなければならない」というモチベーションや感情の下で、ゴールが達成できるという強い確信やエフィカシーなど生まれるでしょうか。

心から望む組織や個人のゴールと、それに伴ったサブ・ゴールやミッション、今後のステップで学ぶ「エンド・ステート」があるからこそ、高いコレクティブ・エフィカシーが維持されるのです。



上記の視点で組織や集団を見たときに、「エフィカシーの高い集団」と「コアーシブな集団」に分かれます。


「コアーシブ」な組織とは、リーダーが抑圧的に、あるいは恐怖や脅しを利用して人を動かす、権力を笠に着せたり報酬をちらつかせて、人を動かそうとする組織のことをいいます。

外部からの圧力によって生じる「Have-to感情」なモチベーション、強制的動機づけによって組織運営を行います。

リーダーが絶えず怒鳴っている、高圧的な命令ばかりをする、「失敗したらクビだ」と恐怖を植え付ける、成功したら報酬を与える、などといった感じです。


「内面から自発的に生じるモチベーション」と「外部からの圧力によって生じるモチベーション」、どちらで人が動くと高いパフォーマンスが発揮されるのかは明らかですが、組織運営においても、同じことが言えるのです。

ですから、組織の運営におけるイノベーション、パフォーマンス、利益といったものを最大化させるうえで、組織が本音(Want-to)で語るゴール、「コーポレート・ゴール」の設定が必要不可欠ですし、また構成員メンバーも個人の「パーソナルなゴール」を各々がきちんともち、両者のゴールがどこかの抽象度で共有している必要があるのです。

それがないと、組織運営において必ず、「Have-to感情」なモチベーションが蔓延してしまうのです。



圧倒的な成果やパフォーマンスを発揮する組織をつくるためには、高いコレクティブ・エフィカシーが維持されるコーポレート・カルチャー、コーポレート空間の醸成が絶対に必要です。

そして、その根底を支えるのは、「コーポレート・ゴール」と構成員の「パーソナルなゴール」なのです。



関連記事:「創造的逃避(クリエイティブ・アボイダンス)からのメッセージ」




10 STEP for CORPORATE COACHING
自由意思で自らの人生を選択していく、マインドを更なる高い次元へと誘う、認知科学に基づいたコーチング 【コーチングで世界を創造する】杉本ワークス