組織のアファメーション 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP7

組織のアファメーション 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP7



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス MIND Over The NEXT!!


『誰でもできるコーポレート・コーチングのはじめ方 STEP7 組織のアファメーション』では、「組織内で共有するアファメーション」について解説します。



まずは、「パーソナル・コーチングにおけるアファメーション」についてです。

「アファメーション」とは、ゴール達成を促すために、言語を使って自身(の無意識)に語りかける言葉のことです。

ゴールを達成するためには、自身のコンフォート・ゾーンをゴールの世界にふさわしいものにしていくことが必要不可欠ですが、アファメーションとは、そのための「高いエフィカシー」と「強い臨場感」を誰もが簡単に獲得することができる技術です。


アファメーションは、毎日少なくとも2回は声に出して読みます。そしてそれが実現した時の感情をじっくりと味わいます。

ゴールを達成した世界の自分をリアルに表現し、感情の力を使うことで、高いエフィカシーと強い臨場感を維持し、ゴールの世界をコンフォート・ゾーンとするのです。それがゴールを達成するメカニズムです。



アファメーションは「11のルール」に従って書く必要があります。

① 個人的なものであること
② 肯定的な表現のみを使う
③ 現在進行形で書く
④「達成している」という内容にする
⑤ 決して他人との比較をしない
⑥ 動きを表す言葉を使う
⑦ 感情を表す言葉を使う
⑧ 記述の精度を高める
⑨ バランスをとる
⑩ リアルなものにする
⑪ 秘密にする


パーソナル・コーチングにおけるアファメーションのルールについて、詳しくはこちら:
「誰でもできるコーチングのはじめ方 STEP7 アファメーション」



以上がパーソナル・コーチングにおけるアファメーションのエッセンスですが、コーポレート・コーチングにおける「組織のアファメーション」についても、本質的に変わりはありません。

組織がゴールを達成していくためには、組織全体としてのコンフォート・ゾーンをコーポレート・ゴールの世界にふさわしいものにしていかなければなりません。

そのためには、コーポレート・ゴールの臨場感を高め続け、組織の高いセルフイメージやコレクティブ・エフィカシーを維持し、それに見合ったコーポレート・トークを行うことが必要です。

パーソナル・コーチングにおいて、ゴールの世界の高いエフィカシーと強い臨場感を維持するためにアファメーションを用いますが、同様に、コーポレート・コーチングにおいても、組織内で構成員同士が共有する「組織のアファメーション」をつくることで、組織のコーポレート・ゴールの達成を促すことができるのです。


組織のアファメーションの「10のルール」

① 1人称複数形を使う
② 肯定的な表現のみを使う
③ 現在進行形で書く
④「達成している」という内容にする
⑤ 他の組織との比較をしない
⑥ 動きを表す言葉を使う
⑦ 感情を表す言葉を使う
⑧ 記述の精度を高める
⑨ バランスをとる
⑩ リアルなものにする



① 1人称複数形を使う

自分達の組織のセルフイメージを変えるのですから、一人称複数形(主語は私たち)を使います。


② 肯定的な表現のみを使う

無意識に否定形は通用しません。否定する内容を口にした途端、その内容を脳はイメージしてしまうからです。否定語、否定形は使用せず、肯定的な表現のみを使います。


③ 現在進行形で書く、④「達成している」という内容にする

すでにコーポレート・ゴールを達成しているというリアルなゴールの世界を描くことで、臨場感を高め、無意識にその世界をコンフォート・ゾーンとして選択させます。


⑤ 他の組織との比較をしない

自分達が本当に達成したいこと、ゴールを考えるのがコーチングです。周りには自分達より優秀な組織やそうでない組織もあるでしょうが、それを考えることと真のゴールを達成することは何の関係もありません。


⑥ 動きを表す言葉を使う

ゴール達成にふさわしい組織のセルフイメージを考える場合、行動や動きのある表現がありありとした世界を描き、臨場感を高めます。


⑦ 感情を表す言葉を使う

「うれしい」、「誇らしい」などの感情を表す言葉を使うことで達成の臨場感がより高まり、そして感情の力を使うことで、より成長を速めることができます。


⑧ 記述の精度を高める、⑩ リアルなものにする

あいまいな表現や不明瞭な言葉は、臨場感が高まらず、アファメーションの効果を十分に発揮させることができません。アファメーションは一度つくれば終わりというものではなく、日々の実践の中でその都度修正を加えながら磨き続け、より精度を高めていきます。


⑨ バランスをとる

パーソナル・コーチングの場合と同様に、組織においてもコーポレート・ゴールはひとつではありません。複数設定することによって社会の中での組織全体としてバランスをとり、組織をより豊かなものにしていくことができます。また、ゴールは複数設定した方がゴールの世界の臨場感は高まり、達成をより確実に促すことができます。それに伴って、アファメーションも各方面でバランスよく表現し、一つひとつのアファメーションに矛盾がないように調和を取りながら、記述していく必要があります。



組織のアファメーション文例

私達は洗練されたゴール・アファメーション・ビジュアルをもち、共有している。構成員全員が一丸となって、一貫性をもって行動している。

私達はクライアントの気持ちを深く理解し、長くお付き合いするための心のシェアを意識している。クライアントとの共感や心の絆を大切にし、クライアントから信頼され、愛される関係性を築いている。

私達は、構成員各々が最大限にエフィカシーの高まる美しい環境づくりを目指していて、日々、胸が高鳴っている。

私達は構成員同士、感謝の気持ちを大切にし、お互いが心から尊敬、尊重し合えるビジネスパートナーとして、互いに学び合い、高め合っている。

私達は人々や社会の役に立ち、貢献をしている。



組織のアファメーションをつくるメリットを、上記と異なる観点からも考察してみます。

コーチングの話題からは外れてしまいますが、「ブランドイメージ」という点においても、組織の構成員がアファメーションを共有することはきわめて有用です。


「ブランドイメージ」というのは、人によって定義や表現の仕方は異なりますが、簡単に言ってしまえば、「その組織の存在足り得るらしさ」のことです。

例えば、アップル製品を買う人というのは、スマフォやノートPCだけでなく、腕時計など、あらゆるものをアップル製品に揃えようとします。

消費者のこのスタイルは、商品の内容やスペックを吟味して選んでいるというより、アップルという組織の企業姿勢であったり商品の在り方、スタイリッシュなデザイン、アップル独特の「らしさ」に共感して選んでいるのでしょう。

これが「ブランド力」です。


ブランドとは、「らしさ」であり、「組織のあるべき姿」であり、「人々の頭の中に存在する組織の価値や在り方、イメージ」であり、「選ばれる基準」であり、「誰(理想のお客様像)に何(どんな商品やサービス)を提供するか」ということになります。


ブランド力が威力を発揮するためには、組織内における「一貫性」が大変重要になります。

組織のトップが、「ウチは〇〇と〇〇がウリだ」みたいなことを言って、会見やCMを流したり広告を打ったりしているのに、組織の営業マンや構成員がそれとはそぐわない方向性で活動をしていたりすると、クライアントやお客様はそのズレに違和感や信頼性・一貫性の無さを感じ、組織の商品やサービスから離れていってしまいます。

本筋のテーマから離れていってしまいますので、ブランドに関するお話はこのくらいにしておきますが、このように、ブランドという観点においては、最も重視されるべきもののひとつに、組織の「一貫性」や「統一感」というものがあります。



組織のブランドイメージをお客様やクライアントは、どのタイミングで知ったり、評価するのでしょうか。

商品やサービスそのものであったり、広告であったり、或いはその商品を売る人や営業マンであったり、もしくは組織で働く人間と偶然出会って、ということもあるでしょう。

人々にはその組織とのありとあらゆる接触点があって、そのときの体験や記憶が積み重なっていって、人々の頭の中にブランドイメージというものが徐々に浸透し、できあがっていきます。


そして、その接触点にはすべて、組織の構成員が必ず関わっています。商品やサービスをつくったり提供するのも、それを売ったり広告をつくるのも、組織の存在や在り方を構成するのも、組織の構成員だからです。

当たり前ですが、組織をつくりあげるのは、組織に関わるすべての人達です。

ですから、人々が組織のブランドイメージに対して一貫性や信頼性を感じるためには、「組織に関わる人達の頭の中にある組織の在り方やブランドイメージを合わせる、統一感や一貫性をもたせる」必要があるのです。



では、組織の構成員における、頭の中にある組織のブランドイメージに一貫性をもたせるためには、どうしていったらよいのでしょうか。

それが、「組織のアファメーション」なのです。


「クレド(Credo)」という言葉があります。

クレドとは、「信条」・「志」・「約束」を意味するラテン語で、企業活動の一貫性や組織の構成員の行動規範・拠り所となる、組織全体の価値観や信念を簡潔に表現した文言、あるいは、それを記したツールを指すものです。

そこには、組織に関する様々な情報をのせます。

一般的には、組織の目標、理念やビジョンであったり、組織のあるべき姿やコンセプト、スローガン、アファメーション、ロゴであったり何らかのビジュアルイメージが含まれる場合もあるでしょう。


一例ですが、高級ホテルの「リッツ・カールトン」では、企業としての理念や価値観が集約された「ゴールド・スタンダード」というものがあり、「クレド」・「モットー」・「サービスの3ステップ」・「サービスバリューズ」・「第6のダイヤモンド」・「従業員との約束」から構成されています。

構成員は、それらが記載された「クレド・カード」をいつも携帯していて、組織の一員として統一感や一貫性を維持し、リッツカールトンが考える最高のサービスが常に提供できるようにしています。


リッツ・カールトンの「ゴールド・スタンダード」に関するページはこちら(組織のアファメーションづくりの際に、大変参考になります)



アファメーションというと、コーチングの場合の主な役割は、ゴールを達成するためのツールとして用いるものであって、その中身は、ゴールを達成した世界にいるはずの自身や組織にふさわしいセルフイメージやコンフォートゾーンの構築であり、言語によってそのあるべき姿の臨場感を高め、ゴール達成をより確実に促すためのものです。

ゴールを達成した未来の自分や組織の臨場感を高めるために、言葉のイメージ喚起力を利用する方法です。


そして、その「臨場感を高める」という意味では、組織内における構成員の統一感や一貫性は必須のものですが、アファメーションの機能はそれだけにとどまらず、組織としてのブランド力を高め、組織(の商品やサービス)がクライアントやお客様から安心して選んで頂けるための強力なツールとしても、圧倒的に作用するものとなり得るのです。

それが、「組織のアファメーション」の威力なのです。




10 STEP for CORPORATE COACHING
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