リーダーマインド 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP8

リーダーマインド 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP8



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス MIND Over The NEXT!!


『誰でもできるコーポレート・コーチングのはじめ方 STEP8 リーダーマインド』では、「リーダーがもつべきマインドの在り方」について解説します。



コーポレート・コーチングにおけるリーダーの役割、「リーダーマインド」について考えてみたいと思います。

リーダーマインドを考えるうえで、リーダーが組織や構成員に対して最も影響を与えてしまうこととは何でしょうか。

リーダーというのは、組織のトップのことを指す言葉かもしれませんし、チームやユニットのリーダーのことかもしれません。いずれにしても、リーダーは構成員や部下に対し、強い影響を与えます。

それをコーチング的な視点でみると、以下のような言葉に集約されます。


「組織のトップのイマジネーションの限界が、組織の限界を決める」

「リーダーのイマジネーションの限界が、チームの限界を決める」


これは、リーダーというのは、組織のゴール設定やミッション、エンド・ステート等の設定に関わってくる重要なポジショニングだからです。

リーダーがイメージできないことは、そのゴールやミッション等の設定もできませんし、設定ができないということは、組織全体や構成員のマインド、行動や成果などに変革が訪れません。

当たり前ですが、想像できないこと、見えないものは成果を出しようがないのです。

その意味で、まず、見えること(スコトーマを外すこと)が重要で、イメージできてしまえばゴール設定ができるし、行動や変革を起こすこともできるのです。


例えば、組織の構成員が抽象度の高い発想やクリエイティブなイメージ、提案をしたとしても、それをリーダーがイメージできたり理解しなければ、あっさりと却下されてしまうでしょう。

ですから、「トップのイマジネーションの限界が、組織の限界を決めてしまう」、「リーダーのイマジネーションの限界が、チームの限界を決めてしまう」とは、こういうことなのです。



組織の成果やパフォーマンスというのは、「組織のゴール」によって決まり、さらに突き詰めて言えば、「組織のトップのイマジネーション」によって決められてしまいます。

そして、そのパフォーマンス云々によって、構成員自身の将来や生活水準、それだけではなく、その構成員の家族の状態にまでも波及していきます。

よくよく考えてみると、これは大変恐ろしいことです。

それほどまでに、リーダーのマインド、イマジネーションというのは、非常に重要な課題となってくるのです。


パーソナル・コーチングにおいても、コーポレート・コーチングにおいても、やはり最も重要なことは「ゴール」であり、ゴールによってパフォーマンスや成果、人生や組織全体の質・在り方、未来そのものが決定してしまうのです。

ここから導き出されるひとつの結論として、コーポレート・コーチングを導入する場合、「コーチングはまず組織のトップのマインドから」ということになります。

そうなのです。組織のトップがコーチングマインドを身につけていないと、組織は絶対に変わらないのです。


一例を挙げましょう。

組織のリーダーが部下のモチベーションに悩んだとします。そして、「うちの部下のやる気が出るように、まずは構成員にコーチングを導入しよう」などと考えた場合、これは大きな誤りと言わざるを得ません。

組織がマンネリや停滞に悩み、総務課の人が「この部署にコーチングをまず導入してみよう」などと考えるのも同様に誤りです。

組織において、その組織の一部や特定の部署だけにコーチングを導入しても、決してうまくはいきません。むしろ、コンフォート・ゾーンの不一致が組織内で起きてしまい、返って逆効果になってしまうのです。


コーポレート・コーチングのスタートとは、「組織のトップのイマジネーションの限界が、組織の限界をつくってしまいます」ということを、組織のトップの方々にまず理解して頂くことから始まります。

組織のトップがコーチングやマインドの重要性を認識し、そして組織がきちんと現状の外側のゴールを設定して、さらに構成員一人ひとりがコーチングマインドをしっかりと身につけていけば、組織は間違いなく繁栄し、進化し、明るい未来を築いていくことができるのです。

これがコーポレート・コーチングの本質です。


組織のトップは、組織の構成員たちのゴールを包摂するような、抽象度の高いコーポレート・ゴールを持っている必要があります。

そうでないと、構成員たちは自身のゴールとの関連性や共通点をコーポレート・ゴールに見い出せず、コーポレート・ゴールを目指さなくなってしまいます。いずれ、その組織から離れていってしまうのです。

個人が自身のゴールと同時に、家族のゴールや周りの人達の幸せを考えるのと同じように、本当に優れた指導者やリーダーは、組織の構成員たちの幸せや、さらにはその構成員の家族の幸せのことまでをも考慮します。


そして、組織のトップは、世の中をより良くするようなコーポレート・ゴールを設定するのです。

こうすることで、組織の活動、商品やサービスは社会に必要とされ、世の中にどんどん広まっていきますから、組織も発展していくことができ、企業であれば、どんどん業績を上げていくことができるのです。



以上が、リーダーとしてのマインドにおける心構え、そしてゴール設定に関わることでしたが、次に、リーダーが考えていくべきことは、「構成員たちのコレクティブ・エフィカシーをしっかりと高めることが、リーダーとしての非常に重要な役割である」ということです。

コーチングは「ゴールを設定し、そのゴールを達成するためのマインドの技術」であることは、事あるごとに述べているとおりです。そして、ゴールを設定したら、その次はもちろんのこと、「ゴール達成」です。


ゴール達成で最も重要なことは、「エフィカシーを上げる」ことです。それはパーソナル・コーチングにおいても、コーポレート・コーチングにおいても、変わりありません。

コーポレート・コーチングの場合は特に、「コレクティブ・エフィカシー」を高める。

コレクティブ・エフィカシーとは、「コーポレート・ゴールを達成する組織全体の能力の自己評価」のことです。


コレクティブ・エフィカシーについて、詳しくはこちら:
「コレクティブ・エフィカシー 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP4」


リーダーは、部下や構成員たちのエフィカシーを高める存在でなくてはなりません。そうして、組織やチーム全体のパフォーマンスを最大化させる役割を担います。

その意味で、真のリーダーとは、以下の3つの素養が求められます。


① リーダー自身のエフィカシーが高く、部下たちのエビデンスとして、圧倒的に高いパフォーマンスを発揮する存在であること

真のリーダーとは、「俺についてこい」などと言うのではなく、自身のエフィカシーが非常に高く、すごいことを平気でやってのけてしまうので、部下や周りの人達が後から勝手についてくるというのが理想です。ビジョンを語っているだけでは、人は決してついてきません。リーダー自身が部下たちのエビデンスとして、圧倒的に高いパフォーマンスを発揮する存在となります。


② 構成員同士がエフィカシーを高め合うようなコーポレート空間をマネジメントすること

構成員一人ひとりがコーポレート・ゴールをしっかりと認識し、その世界の臨場感を構成員同士で高め合うようなコーポレート・カルチャーが求められます。リーダーは、そういったコーポレート空間をしっかりとマネジメントする必要があります。それには、「STEP7の組織のアファメーション」で解説した、組織のクレドやアファメーション等を活用することも重要ですし、構成員一人ひとりのセルフトークがエフィカシーの高まるようなものにしていくマネジメントも含まれます。


③ リーダーは、エンド・ステートについて詳細に考える

各リーダーは、自身のエンド・ステートについて詳細に考える必要があります。そして、部下や構成員たちのエンド・ステートについても把握し、詳細に考える必要があります。組織全体が高いパフォーマンスを発揮し、ゴールを達成していくためには、各部署やチーム同士・構成員同士の連携が重要です。それを支えるのがエンド・ステートです。エンド・ステートが徹底されていることによって、各構成員たちは自身のやるべきことが明確になり、パフォーマンスを発揮し、組織全体がコーポレート・ゴールに向かって邁進していくことができるのです。



このステップ8の最後は、「日本経済の停滞とマインドとの関連」について、簡単に触れておきたいと思います。


日本経済のGDPは1990年頃をピークとしたバブル経済の崩壊以降、ずっと停滞を続けています。

※ GDP(国内総生産、Gross Domestic Productの略)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のこと

1980年の名目GDPは約250兆円、1985年は333兆円、1990年は約453兆円、1995年は512兆円、2000年は526兆円、2005年は524兆円、2010年は500兆円、2015年は531兆円、2017年は546兆円となっています。


1980年から1990年の10年の間に、日本のGDPは、倍近くになっています。

ところが、その後の1990年以降のGDPはというと、500兆円前後をうろうろとする形になっています。ほぼ横ばいというか、「現状維持」に徹しています。


これは社会環境の変化を念頭において考えてみると、大変不思議なことです。

現代の私たち日本人のほとんどの人は、仕事などにパソコンを使います。

パソコンの普及に特に大きく貢献したもののひとつは、何といっても、マイクロソフト「Windows95」の登場でしょう。文字通り、1995年のことです。

以降、社会や家庭へのパソコンの普及は、急激な発展を遂げていきました。


パソコンやコンピューターの性能向上に、「ムーアの法則」が良く取り上げられます。

簡単に言ってしまうと、「CPUなどのひとつの演算処理ユニットに使われる半導体(トランジスタ)の数は、18ヶ月ごとに2倍になる」というものです。

技術革新や設計・製造上の進歩で、演算処理の性能は、1年半で倍くらいになっていくのです。

2010年以降は物理的な設計の限界や、電子の運動に関する限界が見えてきて、この法則の意味合いが随分と変わってきましたが、それまではずっと、この法則が半導体設計において維持されてきたのです。


要するに、パソコンやコンピューターの性能は飛躍的な進歩を続けているので、私たちの社会における(技術的な)環境も劇的に改善されているのですから、私たち自身の生産性やパフォーマンスも圧倒的に向上するはずなのに、実際のGDPは停滞を続けているということです。


進化したのは、パソコンだけではないはずです。

パソコンが使える人の人口も、急激に伸びていきました。1990年には、仕事でパソコンを使っている人がどれほどいたでしょうか。

昔は、1人ひとつのスマートフォンどころか、携帯電話だって考えられなかったのです。

交通インフラもどんどん整備され、移動時間は大幅に短縮されていきました。

様々な分野で目覚ましい技術革新が起き、社会全体で驚くべき進歩です。


どうして、これほどまでの技術的進歩があるにもかかわらず、私たちの生産性は、この20年以上、ずっと停滞を続けているのでしょうか。



ひとつの回答として、「私たちのマインドにおける問題」と捉えることができるのではないでしょうか。

1990年以前は、私たち日本人には「現状の外側のゴール」があったのです。

真の豊かさを目指し、西洋の文化や技術に憧れを抱き、日本のリーダーたちは大いなる野望や夢を思い描くことができていたのです。

それがまさしく、「コーチングにおける現状の外側のゴール設定」となっていたのです。


しかし、1990年以降の私たち日本人はある程度の豊かさを手にし、幸福を感じ、それに満足をしてしまったのです。ゴールを達成してしまったのです。

そして、コーチングでいうところの「ゴールの更新」に失敗、すなわち、新たな大いなる夢や希望を見出せずに、現状維持に徹してしまったのです。

それが、1990年以降のGDPの停滞として表れていると考えられます。


リーダーが、夢のあるゴールを部下や構成員や若者たちに示すことができれば、人々はそれに共感し、それを目指し、組織は発展をしていくことができます。

優秀な人材が、どんどん集まってくることでしょう。

しかし、それができないと、一人ひとりの人生、さらには組織全体として、現状維持に徹してしまうということです。


リーダーは、「ゴール」を示していく必要があるのです。




10 STEP for CORPORATE COACHING
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