コーポレート・ゴールの更新 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP9

コーポレート・ゴールの更新 誰でもできる「コーポレート・コーチング」のはじめ方 STEP9



【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークス MIND Over The NEXT!!


『誰でもできるコーポレート・コーチングのはじめ方 STEP9 コーポレート・ゴールの更新』では、「コーポレート・ゴールの更新」について解説します。



コーポレート・コーチングにおける「ゴールの更新」については、ふたつのポイントがあります。


一つ目のポイントですが、それはパーソナル・コーチングにおけるゴールの更新や再設定と同じになります。

ゴール設定というのは、パーソナル・コーチングにおいても、コーポレート・コーチングにおいても、ルールが3つあって、それらの最初のひとつが「ゴールは現状の外側に設定する」というものでした。

現状の外側にゴールを設定する理由は、そうしないと、大きなエネルギーやモチベーションが生み出されないからです。


マインドがエネルギーを生み出すメカニズムというのは非常にシンプルです。

「マインドは、コンフォート・ゾーンを維持する分しかエネルギーを生み出さない」

この一言に尽きます。


個人にも、組織全体にも、それぞれにコンフォート・ゾーンという「マインドや無意識とって居心地の良いと感じる空間や領域」が必ずあります。

私たちの脳には、特に意識をしていなくても、そういった空間や領域に向かおうとする性質があります。留まろうとする能力というか、機能があるのです。

それは本能的というか生得的に備わっているものなのですが、「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」とか「現状維持機能」などと呼ばれ、私たちが身の安全を守り、生き長らえるために古代より発達・獲得してきた能力として考えられています。


そう聞くと、私たち自身の豊かで安全な生活において、きわめて有用なもののように感じますが、それは時として、私たちの夢やゴールの達成を阻害するものとなってしまいます。

志高く、目標やゴールを立てても、ホメオスタシスゆえに、現状維持に苛(さいな)まれ、それらが結局は達成されないという、自らを守るために発達してきた能力が、今度は自らの人生の敵となり得るということです。


せっかく目標やゴールを設定しても、ホメオスタシスゆえに、達成が邪魔されてしまう。これは誠に困ったことです。


しかし一方で、実際に身の回りを見ていくと、目標やゴールをどんどん達成していく人もいれば、そうではない、いつまで経っても変わらない人もいるわけです。

この違いは一体何なのでしょうか。



実は、「ホメオスタシスが維持しようとする中身は、コンフォート・ゾーンそのもの」だったのです。

ホメオスタシスを「現状維持機能」と解釈するのは誤りで、現状維持などではなく、言わば「コンフォートゾーン維持機能」だったのです。


ホメオスタシスは非常に強力な機能で、どれくらい強力かというと、「体温」を維持するくらいに強力です。

私たちの体温は特に意識をしていなくても、一定に保たれ、健康やパフォーマンスが維持されています。

考えてみると、これはものすごい能力で、私たちの身の回りの環境というのは、刻一刻と変化します。気温や湿度や天候だって毎日変わるし、食べるものや飲み物だって一定ではないし、時と場合に応じて激しく運動をしたり、静かに過ごしたりもします。感情にも起伏があり、それによって体内環境も激変します。

この変化の著しい日常の中でも、私たちの体温は常に一定です(病気や風邪等の場合は別ですが)。


こう考えると、いかにホメオスタシが強力かということが分かりますが、人間のホメオスタシスは、そういった体温や体内環境だけに限るものではなくて、身の回りの環境、すなわち、自身の身を置くべき空間や領域(コンフォート・ゾーン)に対しても働いている、これがホメオスタシスの本当の姿です。

少々難しい言い方になってしまいますが、専門的に言うと、「ホメオスタシスは物理空間にだけではなく、情報空間にまで広がっている」というのが、そのカラクリです。

例えば、銀行の預金残高だってホメオスタシスの対象ですが、預金残高は目の前に札束として物理的な存在としてあるわけではありません。情報空間上の数字の出来事です。


このホメオスタシスの性質の結論として、「マインドは、コンフォート・ゾーンを維持する分しかエネルギーを生み出さない」というシンプルな法則が導かれるのです。

ホメオスタシスは、コンフォート・ゾーンの在り方によって、私たちの人生の敵にも味方にもなるということです。


これを理解すると、「モチベーション」の正体も明らかになります。

一般的には、「モチベーションとは原因であって、成果やパフォーマンスが結果」という感覚だと思います。

しかし、実際は、「モチベーションというのは結果」であって、その原因は、ゴールやコンフォート・ゾーンの方にあるのです。

自身が現状に置かれた環境や状態と、マインドの中にあるコンフォート・ゾーンとの距離感が、モチベーションに直結しているのです。



自己変革や組織改革を促す根幹は、言葉で表現するのは簡単です。

「コンフォート・ゾーンを変えればいい」だけのことです。それもなるべく遠くに。

遠くにしないと、近いと、無意識はすぐに自らをコンフォート・ゾーン内に修正可能と判断し、大きなエネルギーや脳力を生み出さず、変革は訪れません。

大きな成功や変革を望むのであれば、ゴールは現状の外側に設定し、それに伴ったコンフォート・ゾーンづくりをマインド内に展開していく必要があります。

そして、これこそが「コーチング」そのものであり、技術なのです。



ゴールは一度設定をすると、それ以外に必要のないものは見えなくなっていきます。「スコトーマの原理」です。

ですから、ゴール達成はある意味、時間の問題でしかなく、ただ、それでもより効果的かつ確実にゴール達成を促す意味で、「アファメーション」や「ビジュアライゼーション」、「セルフトークのコントロール」などを駆使していきます。


すると、ゴールはどんどん近づいてくる。

どんどん、どんどん明快に見えてきて、今やるべきことも明確になってくる。

そして、ゴールは現状の外側から、「現状の内側」へと入ってくる。

こうなってくると、マインドがエネルギーを生み出す量も少なくなる。モチベーションも下がってくる。

そのまま放置すれば、いずれ燃え尽き症候群に陥る。


ゴールを達成したり、失ったりすると、厄介です。

一度こうなってしまうと、マインドはほとんどエネルギーを失った状態になっていますから、ゴールを再び設定しようなどという気持ちもそう簡単には起きず、現状の外側のゴール設定はとても難しくなります。

それは、個人の場合も、組織の場合も、まったく同じです。


個人の場合でも、組織の場合でも、燃え尽き症候群に陥ってしまわないように、ゴールに近づいたり、もうすぐゴールに到達しそうだと思ったりした場合は、早急に別のもっと先のゴールを設定し直さなければなりません。

自分たちの現在地とゴールとの距離感を測りながら、ゴールを常に更新し続けることが大変重要になってきます。




コーポレート・コーチングにおける「ゴールの更新」について、二つ目のポイントです。


組織のゴールというのは、組織のトップだけが決めるものだと思っているのではないでしょうか。

確かに、最初に組織を起こす時点では、組織が組織足りえる存在意義として、ゴールであったりビジョンであったり、理念や志等々があるでしょうが、それを組織のトップが最初に示していかなければなりません。

それがなくては、組織として実際に何をしていくべきかの方向性が明確に見えてきませんし、組織としてどういう製品やサービス、価格、規模、人員配置等が必要かも分かりません。

ですから、組織というのは、ゴールがあるからこそ、すべてが決まっていくのです。


そんな非常に大切なゴールなのですが、それは組織のトップのみが決める権利を独占するようなものではありません。

「組織のゴールは、構成員が変えても構わない」のです。

むしろ、コーポレート・コーチングを実践していく中では、構成員によって組織のゴールが更新されていく状態が望ましいと言えます。

当たり前ですが、組織を構成しているのは、組織に関わるすべての人達で成り立っているのですから、そして、その構成員一人ひとりがコーチングを実践し、各々がゴールをもち、スコトーマの外れた状態でクリエイティブに思考していくことができるわけですから、コーポレート・ゴールの更新も、構成員が積極的に関わっていくべきです。


もちろん、コーポレート・ゴールの更新は、構成員が勝手にやっていいわけではありません。組織内のルールに則ってやるべきです。

例えば、構成員がそういった意見を出せるコーポレート・カルチャーやシステムがきちんと存在して、出された意見や発案を組織内で何らかの形でしっかりと吟味し、それをコーポレート・ゴールの更新に生かす、こういった組織の在り方が非常に重要になってきます。


組織の末端の構成員がいて、「私は組織に雇われている」とか、「自分は組織の運営に対し口出しできる立場にはない」などと考えていてはいけないということです。

構成員すべてが、「私たちはコーポレート・ゴールを達成することができる」という高いコレクティブ・エフィカシーを維持し、それに伴ったコーポレート・トークを行い、そして、「コーポレート・ゴールも私たちがどんどん更新していく」という姿勢が理想的です。


現代の組織が置かれる社会環境は変化が著しく、組織もダイナミックに変化し、対応していく必要があります。

コーポレート・ゴールの更新も、例外ではありません。

そうした中で、構成員一人ひとりがそのダイナミックに変化する組織の一員としての自覚と高いエフィカシーをもち、自分たちが組織全体やゴールをどんどん先へ先へと誘っていく役割を担っているという発想が大切なのです。




10 STEP for CORPORATE COACHING
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