組織のトップがまずすべきものとは?!




【コーチングで世界を創造する】 杉本ワークスの杉本浩章です。


どのような社会環境や生活、構造であっても、必ずコーポレートという存在があります。

「コーポレート」と言うと、一般には営利企業を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、コーチングにおけるコーポレートというのは、それだけに留まりません。

複数の人間が集まるところを全て、コーポレートと呼びます。


すなわち、ここで言うコーポレートとは、企業に限定されたものではありません。企業を含めた「組織」「団体」「チーム」等を指します。

企業や営利組織はもちろん、○○法人、非営利組織、ビジネスユニット、スポーツチームなど、人が集まったグループのことをコーポレートと捉えます。



そのコーポレートという組織があると、必ず、その組織にはトップの地位に就く「人の存在」があります。

当然のことですが、組織のトップが組織のかじ取りをするわけですから、組織が健全に役割を果たすためには、組織のトップの存在、そして、その人の役割はきわめて重要なものです。

組織のトップが判断を誤れば、その組織に所属する人、関わる人には多大な影響が及びます。

組織のトップはものすごく責任重大ということです。


では、組織のトップの一番の役割とは、一体何なのでしょうか。

これは非常に重要な問題なのですが、意外に意識されていなかったり、知られていない場面があります。

改めて、ここでしっかりと認識する必要があるでしょう。



組織が存在するのは、答えを聞いてしまうと当たり前ですが、何らかの「目的」があるからです。

営利企業の場合は、売上を上げて、利益を出して、構成員が給料を受け取ることが専ら目に浮かびがちですが、本当はそれだけではないはずです。

必ず、何らかの目標や目的があって、それらが達成されて、或いは達成過程において売上が上がるはずです。

保険会社であったら、保険証券を手にする人に何らかの保障や安心を提供して、お客様を喜ばせることが必要ですし、飲食店なら料理やそれによる満足感を提供するわけです。


非営利組織などは、単に目的にお金が絡まないだけで、本質的には営利企業も非営利組織も存在意義があるという意味では、同じものです。

もっと小さなユニット、例えば、何らかの集団とかグループ、スポーツユニットなどであったとしても、構成員共通の目的や認識が必ずあるはずです。

それがなければ、組織は自然に消滅してしまいます。



組織が全体として、きちんと機能する。その組織の各々の構成員が矛盾なく行動をし、自発的に判断もし、組織の中でチグハグ感や齟齬(そご)がなくなるためには、組織の方向性がきちんと示されていなくてはなりません。

そしてそれが、しっかりと構成員の間で共通認識として広まっていなければなりません。

目的がしっかりと理解されていなければ、構成員は迷うことなく、判断や行動を起こすことができないからです。


組織にとって最も大切なこと、その存在の肝となるのは「存在意義」なのですが、コーチング的に言うと、それは「組織のゴール(組織全体の目標)」になります。

ですから、組織のトップの一番の仕事とは、「組織全体のゴールをしっかりと示すこと」になります。


そして、その組織のゴールが、構成員の間でしっかりと認識されていなければなりません。



聞いてしまうと非常に当たり前のようですが、実際の現場でこれらが徹底されていない場面というのは、じつは意外に多いのです。

自分の勤めている会社のゴールとか、理念とか、ビジョンみたいなものを知らないという構成員が多そうなのは、皆さんも想像がつきやすいのではないでしょうか。


組織のトップは、しっかりと組織全体のゴールを定めて、そして構成員全員がしっかりとその共通認識が持てるように環境を整備すること。これが組織のトップが最も最初にやるべきことなのです。



これをもう少し砕けた言い方というか、魅力的な表現で言うと、「組織の構成員に、彼らが自然に魅力を感じるような共通のビジョンを抱かせる」という表現が好ましいのではないかと思います。

組織のビジョンは、組織の命です。

ビジョンとは、組織がゴールを達成した将来に、その構成員たちが見ている自分たちと世界の姿のことです。


そういった共通認識が構成員たちの間でしっかりと広がり、そのビジョンが構成員たちにとって魅力的なものであればあるほど、組織は組織としてより健全で建設的で、活発なものとなります。

人を最も輝かせるのは、その人の人生の目標、すなわち心からワクワクする人生のゴールなのですが、組織の場合もまったく同様に、組織を最も輝かせるのは、構成員がワクワクするような組織のゴールなのです。



そしてもう一点、ゴール設定に関して重要なことがあります。

私たちは無意識にゴールや目標の数を「絞ろう」としてしまう点です。


「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざに象徴されているように、私たちは欲を出して多くを望もうとすると失敗をするという不思議な思い込みがあります。

これは野生の動物の狩りの話が例であって、実際のマインドの働きの観点や、現代の私たちの実社会・実生活という世界においては、明らかな誤りです。


「多くを望むから失敗をする」などという物事のとらえ方をするのではなく、あらゆる観点で「バランスをとる」という感覚が大切です。

個人の場合において、家計のやりくりを整えながら、家族旅行を楽しんだり、勉強や生涯学習など将来のあらゆる場面に対して備えたり、単純に趣味を楽しむ、ビジネスをもっと発展させたいと考えるのは、ごく自然なことです。

私たちはそのごく自然な営みを、心の奥底では皆が望み、手にしたいと考えているでしょう。

二兎を追う者は一兎をも得ずという思考は、そもそもが私たちにとって当てはまらないのです。



ゴールはあらゆる場面や分野において、バランスよく設定をするというのが、コーチングの正しい考え方です。

営利組織を例にとるのが分かりやすいと思いますが、企業としての存在価値が発揮されるきちんとした理念なり目標なりがあることが大前提で、そのうえで、クライアントやお客様を喜ばせる方向性や目標とか、構成員の待遇や労働環境をこうこうしたいとか、大きな社会貢献にも参加したい、地球環境に配慮したい、将来の時代の変化に備えたいなど、内容は企業や組織の形態によって変わりますが、いずれの場合もゴールを複数、各分野に沿って設定してみるという姿勢がとても重要なのです。

間違っても、ゴール達成が大変で困難だから、ゴールの数を絞ろうというスタンスはよくありません。

人生は長いのですから、多くの目標を、じっくりと着実に、目指せばいいのです。


逆に言うと、簡単で誰にでもすぐに達成できるような「軽い」ゴールに、どんな意味があるというのでしょうか。

数少ない容易なゴールを設定して、わりと早くに達成してしまって、やることがなくなり、燃え尽き症候群に陥ってしまったというパターンの方が、よっぽどマンネリ化した、つまらない人生や挑戦ではないでしょうか。


私たちは、もっと遠慮することなく、常識にとらわれることもなく、過剰に誰それの意見に振り回されずに、冒険すべきですし、またそれができます。

人生を謳歌している人ほど、そういうスタンスでいるものです。

2019年08月12日