抽象度と抽象度の高い思考


抽象度とクリエイティビティ

【コーチングで世界を創造する】杉本ワークスの杉本浩章です。


「抽象度」という言葉。

認知科学者の苫米地英人博士の書籍などをお読みの方にとっては、必ず目にする言葉でしょう。

しかし、そうでない方にとってはほとんど馴染みがないと思いますので、その言葉の表す意味を分かりやすく書いてみたいと思います。



抽象度という言葉は苫米地博士の造語ですが、この言葉の表す概念自体は元々、分析哲学にあるものです。「Levels of Abstruction」の訳が日本語になかったので、博士が「抽象度」と訳して、日本にこの考え方を紹介し、普及させていきました。


この宇宙に存在する概念には階層性があります。

例えば、「犬」と「猫」と「動物」という3つの概念を比べたとき、「動物」という概念は「犬」と「猫」を包んでいるように見えますよね。「犬」と「猫」の一つ上の次元に「動物」があるように映るわけです。

階層性とはそういうことです。


「抽象度」とは、概念に階層性がある中で、その概念を定義する(表現する又は説明する)際の情報量の大小の度合いのことを指します。

「抽象度が高い」ほど、概念を表す情報量は少なくなります。
「抽象度が低い」ほど、概念を表す情報量は多くなります。


「犬」と「動物」という概念を比べたとき、「動物」を定義する情報があって、そこに「動物という概念」を「犬という概念」にするための情報を「付加」することで、「犬」という概念が定義できます。例えば、動物を表す情報に、胴体が横で脚が4本、尻尾があって、ワンと鳴き、毛が全身に生えていて、肉球があり、、と情報が加わっていくことで、「犬」を表す情報や概念ができあがります。

「動物」を定義する情報量より、「犬」を定義する情報量の方が多くなります。この状態を、「動物は犬より抽象度が高い」と表現します。

そして、「犬」と「猫」と「動物」という概念を並べてみると、階層性を考えたとき、「動物」は「犬」と「猫」を包含しているので、この状態を分析哲学で「動物は犬を包摂(ほうせつ)している」、「動物は犬と猫を包摂している」と表現します。


まとめると、抽象度が高くなるにつれて、概念自体を表す情報量は少なくなりますが、包摂する概念や潜在的な情報量は増えていきます。

ですから、抽象度とは「視点の高さ」とも表現できます。「情報空間における位置エネルギー」とも言えましょう。



続いて、「抽象度の高い思考」について考えてみたいと思います。

なぜ、抽象度の高い思考が求められるのか、それは「クリエイティビティ(創造性)」が発揮されるからです。


先ほど、「犬」、「猫」、「動物」という3つの概念を取り上げました。

もし、得体の知れない動物を見つけたとき、「動物」という概念を知らなかったら、その得体の知れないものを何と表現できるでしょうか。どう認識するのでしょうか。「犬」でなく、「猫」でなく、「サル」でもなく、「牛」ではないし、、、とずっと認識できずになってしまいます。

しかし、「動物」という概念を知っていれば、その得体の知れないものは細かい定義はできませんが、「動物」という認識はできます。


そう、高い抽象度で捉えると、よりわかりやすく言えば、高い視点で物事を俯瞰(ふかん)して観ることで、認識できるものを増やすことができるのです。

コーチング的に言えば、スコトーマ(心理的盲点)が外れ、より幅広い視野が得られ、認識や理解をさらに広げることができるのです。

「抽象度の高い思考」とは、「物事を高い視点で俯瞰して観る、考える」ということです。


人によって、物事を見る視点の高さや抽象度は異なります。

見えている世界、認識できている領域は全く違うのです。抽象度の低い人には見えていない世界が、抽象度の高い人には当たり前のように見え、認識し、思考することができます。

この認識できている世界の違いが「クリエイティビティ」なのです。

抽象度の高い人からしてみれば当たり前のように見えている世界が、抽象度の低い人にとってはスコトーマに隠れ、全く認識できませんし、見えません。その世界というか認識の差が、抽象度の低い人にとっては「クリエイティビティ」に映るのです。

クリエイティブな人というのは、抽象度の高い思考をすることで、より多くの世界や領域を認識し、思考し、周りの人よりも斬新な発想で圧倒的なパフォーマンスを生み出すことができるのですが、本人にとってみたら当たり前の世界を認識し、思考しているだけなのです。

これが「クリエイティブな人」、「抽象度の高い思考をする人」の正体です。



そうすると、抽象度の高い思考をするための方法が気になってくるところだと思います。

1.抽象度の高いゴールを設定する
2.圧倒的な知識の獲得をする
3.抽象度の高い思考をする人と接する

の3つが主に考えられます。


1.「抽象度の高いゴールを設定する」

抽象度の高いゴールとは、「なるべく多くの人の役に立つゴール」という視点で考えると分かりやすいと思います。抽象度の高い思考をし、高い視点で物事を俯瞰(ふかん)して観て、より多くの人々にとって、より多くの喜びとなるような物事の考え方をするようにします。コーチングではハッピーな人生、心から望むことをゴールとする人生を探求します。そして、それは本人だけではなく、他人に対しても同様です。ですから、自分自身も含め、なるべく多くの人が幸せになるようなゴールを設定することでスコトーマが外れていき、抽象度の高い思考をすることができるようになります。


2.「圧倒的な知識の獲得をする」

人間には、多くの知識を得ることでそれらをまとめ、運用していく優れた統合能力・ゲシュタルト能力(多くの断片的なものを1つの体系・枠組みとして高い視点で捉え、組み立てる能力のこと)があります。したがって常日頃、多くの知識の獲得を習慣とすることで、物事を捉える視点の高さが知識の量が増えるにつれて上がっていき、抽象度の高い思考ができるようになります。効果的な知識の獲得方法は、過去のブログ:「効率のよい知識の獲得方法」を参考にして頂ければと思います。


3.「抽象度の高い思考をする人と接する」

抽象度の高い思考をする人と直(じか)に接することで、高い抽象思考とはどういうものかということを肌身で実感し、自然に自分自身も抽象度の高い思考をすることができるようになります。奥義や秘儀の伝授というのは、本などの言語化された媒体だけでは難しく、やはり、師に直接教えを乞(こ)い、場を共有することでしか伝わらない非言語情報や体感も含まれます。そういったものを「密教的要素」といいます。



ぜひ、参考にしてみて下さい。皆さんの思考がより抽象度の高いものとなり、より豊かでハッピーな人生が送れますように心から願っています。


今日もブログを最後までお読み頂き、ありがとうございます。



マインドを更なる高い次元へと誘う、最先端の認知科学に基づいた次世代コーチング 【コーチングで世界を創造する】杉本ワークス
2016年07月23日